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制作こぼれ話

武道始めに参加しました(歴史群像141号)



  大鎧の着付け

  腹巻に大袖姿の、左衛門尉

 渡辺信吾さんとコンビで連載中の「武器と甲冑」。幸い好評なようで一安心。武具・甲冑は人気が高いジャンルなので、いつも歴群らしさを出すかを心がけているのですが、どうやら多少なりとも認められているようで嬉しゅうございます。
 もともと子供の頃から鎧が好きだったんですけど、まさか仕事になるとは思わなんだ。と、いうのが連載を始めるにあたっての感想でしたが、無論、好きだけで仕事にはなりません。けっこう勉強してるんですよ(好きなので苦にはならない)。そんなわけで、勉強の一環として、去る1月9日の成人の日に毎年武道館で開催される「武道始め」に参加してきました。えっ。樋口は、なんか武道してるの? という声が聞こえそうですが、私が参加したのは各種武道の模範演技に先立つ「鎧着初め」と「鏡開き」です。
 この式典は、日本武具甲冑研究保存会が主催するもので、60名余りの武者が、古式に則った三献の儀に続き、大将軍による掛矢(かけや)を用いた鏡開きを行います。私はその一員として、レプリカではありますが、生まれて初めて、大袖をつけた腹巻(室町時代までは右脇で留めるのが「腹巻」)を着用。普段、戦国の当世具足を雑に着て走り回っている人間からすれば、厳粛な儀式と相まって、興奮と緊張!!
 えっ。どこが勉強かって? 
 レプリカとはいえ、毛引縅の腹巻は、当世具足に比べ着心地が良いコト(実物はもっと着心地が良いそうです)、また当世具足を着慣れている身からすると、大袖が意外と邪魔なのがわかりました。これまでの研究で言われているように、たしかに大袖は矢に対する防御、いわば盾の役目なんだ、と実感したしだい。また儀式なので、様々な所作を体験できたのも良い経験でした。
 さて、これを連載にどう活かしいていこう。
 最後になりましたが、こうした機会を与えてくださった、甲冑師の佐藤誠孝さん、ありがとうございます。

(文/樋口左衛門尉)