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制作こぼれ話

タイ戦争博物館レポート(歴史群像122号)

タイ海軍のコレクション

1937年に日本で建造された潜水艦『マッチャーヌ』の艦橋と五年式短八糎砲。潜水艦は4隻を輸入して、1951年まで使用されました。

『トンブリ』の戦闘艦橋内部。舵輪などが残っていました。なお、取材時(2013年10月)に艦橋上部は補修中のため入ることができませんでした。

要塞の砲台後方に造られたラーマ五世の銅像。

1995年に退役した『メクロン』は記念艦として海軍歴史公園に保存展示されています。

 今号のTOPICS(P124参照)で紹介している日本製兵器は、タイの陸・海・空軍博物館に展示されているものです。今回の「制作こぼれ話」は、多くの日本製兵器が展示されており、拳銃から艦艇までを見学できるタイ海軍の施設を紹介しましょう。
 海軍の博物館施設はバンコクの南、サムットプラカーン県にあります。海軍博物館と士官学校はチャオプラヤー川東岸のサムットサコーンに、海軍歴史公園は西岸の河口に位置しています。
 各施設に展示されている主な日本製兵器は以下のようなものです。
 
海軍博物館
・潜水艦『マッチャーヌ』艦橋
・五年式短八糎砲
・九四式三十七粍砲
・九八式二十粍高射機関砲
・九二式重機関銃
・三八式歩兵銃
・十四年式拳銃
・軍刀
 
海軍士官学校
・海防戦艦『トンブリ』艦橋
・五十口径三年式二十糎連装砲塔
 
海軍歴史公園
・沿岸防衛スループ『メクロン』
・四十五口径十一年式十二糎砲
・毘式四十粍機銃(単装・連装)
・八八式七糎野戦高射砲
・九四式三十七粍砲
 
 『メクロン』が展示されている海軍歴史公園は、1893年にシャム王国とフランスの間で発生したパークナム事件(仏泰戦争)の舞台にもなった場所で、チャオプラヤー川の河口に造られたチュラチョームクラオ要塞の敷地を利用しています。
 紹介した各施設には日本製以外にも、貴重な兵器が展示されているため、タイを旅行した際には訪れてみてはいかがでしょうか。
 海軍博物館と士官学校(博物館の向かい側)の開館は休日を除く午前9時~午後3時30分、海軍歴史公園は午前9時~午後8時。いずれも入館料は無料ですが、軍の施設内にあるため、見学の際にはゲートで博物館を見に来たことを告げると入場できます。

四十五口径十一年式十二糎砲。照準器などの細かい装備は外されていますが、尾栓は開閉可能。砲手席に座ることもできます。
 

上甲板に設けられた厨房。シンクは建造時のものか不明。蒸気釜には「東京亀戸」の文字が残っていました。
 

公園内には機関銃や大砲なども展示されています。写真はイギリスのヴィッカースQF 2ポンド砲 Mk.Ⅷを日本でライセンス生産した毘式四十粍機銃。

(文=毛沢山)