
雑誌『歴史群像』は、1992年6月に創刊されました。当時は「人物・戦い・事件」の検証がテーマの総合歴史雑誌でスタートしましたが、読者の人気の高い「戦い」を中心にした編集方針へとシフト。現在は「ミリタリー・戦史Magazine」に生まれ変わりました。
人類の歴史は戦争の歴史でもあり、そこには多くのドラマと学ぶべき教訓があります。これからも戦史をもとに、さらに興味ぶかい誌面づくりを目指します。
~~今号の内容~~
■ 第一特集
●徹底詳解 日本空母の戦い方
空母の任務、索敵・雷爆撃の要領から艦上機の比率まで
日本海軍は空母と艦上機をどのように用いようとしたのか? 空母に求められた役割の変遷から艦上機の任務と戦技まで、日本空母の戦い方を、背景を含めて詳解する!
■ 第二特集
●作戦分析 蒙古襲来
世界帝国の侵攻を退けた鎌倉幕府軍の対上陸防御作戦
13世紀後半、モンゴル帝国による二度にわたる日本侵攻。鎌倉幕府軍はいかにして元軍の上陸撃退に成功したのか。日本中世史における近年の研究成果を検討しながら、文永・弘安両戦役の幕府軍の作戦と戦闘経過を検証・分析する。
■ 第三特集
●フランス戦車隊 失われた勝利
"自動車大国"の戦車開発1916-40
戦車登場以来、常にその開発をリードしていたフランス。独自の発展軸を推進し個性的な戦車部隊を生み出すも、ドイツの侵攻の前に短時間で潰えてしまう。それはなぜだったのか? 第一次大戦から運命の1940年5月を迎えるまでのフランス戦車開発の軌跡をたどる。
■ 【カラー特別企画】 徹底取材! 蒙古襲来の現場
①蒙古襲来の軍事地形学的分析
~石築地はどのような場所に造られたのか
文永・弘安の二度にわたって対上陸防御作戦に勝利した鎌倉幕府軍。地形学的な分析から石築地の立地と鎌倉幕府軍の勝因を検証する。
②蒙古襲来の関連資料館・史跡ガイド
~海底で発見された元軍軍船の遺物多数およ水中調査に関する展示を行う松浦市立埋蔵文化財センター ガイダンス施設ほかを紹介!
■ 検証/ドキュメント
●未完の宰相 小松帯刀
「薩長同盟」と「大政奉還」実現の真の立役者
京都における薩摩藩のトップとして、幕府と朝廷を相手どって、幕末の難局を切り開いていった男の実像に迫る。
●トロツキー伝
赤軍を創設した革命家の生涯
共産主義革命の理論的指導者の一人であり「赤軍の父」とも称賛されるトロツキー。その足跡を軍事と政治の両面から探る。
●Uボートは日本潜水艦の発達にどのような影響を与えたか
「漸減作戦」遂行のため、日本潜水艦には大型で航洋性の優れた性能が求められるようになった。その発展の背景には、ドイツ潜水艦の技術や設計思想が大きく寄与していた。
アメリカ軍将兵を勇気づけたスウィングの響き♪
●Vディスク
国内の音楽業界事情により新譜レコード発売が中断した第二次大戦中のアメリカ。前線の将兵を励まし慰めるために一つの画期的計画が持ち上がる。
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●1813年ドイツ戦役[第3回]
リュッツェンの戦い
フランス軍と対仏同盟軍は、いくつかの小競り合いを経たのち最初大会戦、リュッツェンの戦いへとなだれ込む。ロシア戦役後、かつての“大陸軍”のおもかげを失ったフランス軍は、各国軍に対してどう戦うのか?
■ インタビュー
陸軍中野学校出身の遊撃戦要員
●井登 慧
中野学校でゲリラ戦教育を受け、台湾で遊撃部隊の隊長となるも終戦。そして今、あの戦争をどう考えるか?
■ カラー企画
●BIG FIFTY
陸海空を制した米軍の50口径多用途重機関銃
両大戦間期に対空・対装甲車両用として開発され、戦車から艦艇、航空機までの様々な兵器に搭載されたM2。現代でもまだ現役として使われているその歴史を彩色写真と共にたどる。
歴群シネマガイド
●西側連合軍のヨーロッパ反攻作戦
「作戦」で見る戦争映画――ノルマンディ上陸、マーケット・ガーデン、アルデンヌ攻勢
ノルマンディ上陸に象徴される、連合軍の「西ヨーロッパ解放」のための戦い。今回は、これらの作戦に焦点をあて、第二次世界大戦終盤にかけての大小の戦いを映画でたどる。
歴史群像フォトギャラリー
●第二次大戦と女性パイロット
戦闘から回送飛行まで─国情を反映した女性パイロットの任務
■ カラー連載
【日の丸の轍】急造された最後の制式戦車
●三式中戦車
【蒼空の記憶】手堅い性能で勝利に貢献した戦術爆撃機
●ペトリャコフPe-2
【縦横無尽! 世界戦史】近代以前の戦争 その9
●諸兵科連合と騎兵
【戦士の食卓】両陛下に献上された正月料理の一品
●空揚 五目ソースかけ
【迷宮歴史倶楽部】
●戦後80年間、密かにたたずむ奉安殿③
(絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第十九話〉敗北
■ 連載コラム
・日本100名城と武将たち 盛岡城×南部信直
・負けじ魂、これぞ船乗り
・信長の独断フルスロットル