
雑誌『歴史群像』は、1992年6月に創刊されました。当時は「人物・戦い・事件」の検証がテーマの総合歴史雑誌でスタートしましたが、読者の人気の高い「戦い」を中心にした編集方針へとシフト。現在は「ミリタリー・戦史Magazine」に生まれ変わりました。
人類の歴史は戦争の歴史でもあり、そこには多くのドラマと学ぶべき教訓があります。これからも戦史をもとに、さらに興味ぶかい誌面づくりを目指します。
~~今号の内容~~
■ 第一特集
●日米空母徹底比較
搭載機数、飛行甲板から航続力、装甲防御まで
太平洋戦争において、海戦の主役となった航空母艦。日米が運用した空母にはどのような違いがあったのか、その相違点を項目別に比較する。
■ 第二特集
●【朝鮮戦争】仁川上陸&ソウル奪回作戦
マッカーサーと国連軍による乾坤一擲の賭け
北朝鮮軍の怒濤の進撃の前に韓国の首都ソウルは陥落し、国連軍は釜山で包囲された。その絶望的な状況を打開すべく立案・実行された「クロマイト」作戦の全貌に光を当てる。
■ 第三特集
日本海軍の失われた可能性
●秋山真之
―その兵学思想の全貌―
日露戦争の日本海海戦において聯合艦隊参謀として、ロシア・バルチック艦隊を破る作戦を立案した秋山真之。卓越した戦術家であるとともに日本海軍を代表する兵術研究家でもあった。その優れた先見性と洞察力によって確立した「秋山兵学」の全貌と生涯に迫る。
■ 検証/ドキュメント
島津家中激震!
●庄内の乱
抹殺のあげく国賊とされた伊集院一族
伏見の薩摩屋敷で伊集院幸侃が島津忠恒により殺害された。筆頭老中幸侃は秀吉が認めた実力者で庄内八万石を有していた。しかし徳川家康の意向により、忠恒に対する処罰はなく、激怒した幸侃の嫡男忠真は都之城以下、十二の城を固めて島津氏に反旗を掲げた。庄内の乱の勃発である。戦いは長期化の様相をみせ、焦った家康は九州の諸大名に島津氏への与力を命じた。ここに至り、島津家中の内紛は豊臣政権を巻き込む公的な戦いへと変質した。島津家を揺るがせた内乱の真相と、その複雑な構造に迫る。
●MG34とMG42
ドイツ陸軍が生み出した二つの万能機関銃
第二次世界大戦時の傑作機関銃として名高いドイツ軍のMG34とMG42。その誕生の経緯から運用方法までを解説する。
●「何もない城」から何を読み取るか
城が「消える」理由とその痕跡から往時の姿を読む方法
天守も石垣もなく、碑のみがたたずむ城跡。「何も残っていないから……」と通り過ぎてしまいそうになるが、はたしてそれでよいのだろうか? 城が消滅した理由や残された地形を丹念に探れば、それまでとは違った景色が浮かびあがってくる―。
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●ロシア戦役[第10回]
ベレジナ渡河作戦(Part.2)
ベレジナ河に架橋し、退却を図るナポレオン軍であったが、大量の落伍兵、傷病兵をかかえながらの渡河は困難を極めた。追撃するロシア軍とかろうじて戦いながら、ナポレオンのロシア遠征は終焉を迎える。
歴群シネマガイド
●中南米/オセアニア/ヨーロッパ諸国の戦争映画
まだまだある、世界の埋もれた秀作
「戦争」はあらゆる国の映画界で共通する重要なテーマである。本連載「製作国別編」の締めくくりに、取り上げられる機会が少ない国々の多様な戦争映画を、筆者独自の視点で紹介する。
■ インタビュー
空母『信濃』通信員
●蟻坂四平
海軍に憧れ、通信員となった弱冠16歳の少年兵が体験した、空母『信濃』の最初にして最後の航海。
■ カラー企画
●無限軌道走行装置を知る
①履帯の構造と材質
●再考 中国大返し
同時代史料が浮き彫りにする「奇跡」の実態
秀吉は、信長が弑された本能寺の変からわずか12日間で主君の仇を討った。それは「神業」として語られることが多いが、はたして実態は? 「大返し」の背景と内実に迫る!
●朝鮮戦争 博物館・史跡探訪記
●戦争と薬
兵士の命を救う化学が生んだ"戦友"
歴史群像フォトギャラリー
●第二次大戦期各国の航空魚雷
■ カラー連載
【日の丸の轍】日本陸軍が戦車より早く配備した装軌車両
●ホルト・トラクター
【縦横無尽! 世界戦史】近代以前の戦争 その6
●トゥキュディデスの新しい罠
【蒼空の記憶】洋上でのさまざまな任務で活躍した飛行艇
●ブローム・ウント・フォス BV138
【戦士の食卓】~映画『スターリングラード』より~
スターリングラードからの脱走兵が最後に口にした
●ドイッチェ・サラミ
【迷宮歴史倶楽部】
●戦後80年間、密かにたたずむ奉安殿①
(絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第十六話〉不可侵条約
■ 連載コラム
・日本100名城と武将たち 大内氏館×大内義隆
・負けじ魂、これぞ船乗り
・信長の独断