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制作こぼれ話

浜松城徹底見学会(歴史群像99号)

エデュケーション&エンターテインメント

枡形虎口の説明をする中井先生。難しい内容を平易に流暢に(関西弁で)説明しています。さすが。

石垣の説明をする加藤先生。なんか妙に楽しそう。この石垣は、落し積みといって戦国期に無い技法で後世の修復だそうです。

個人的に質問を受ける鉄炮頭役の拙者。質問をするのは漫画家の見ル野氏とその担当の方じゃないですか。ギャグマンガから戦国マンガに転身?

 昨年(2009年)の10月24日から11月8日にかけて、国民文化祭の一環として静岡で『城跡フェスティバル ―今よみがえる 浜松の城』というイベントが開催されました。本誌読者の中にも、行かれた方がいらっしゃるかもしれません。で、このイベント、あの話題作「センゴク」の作者である宮下英樹先生がメインのゲストだったりするのですが、宮下マンガでは「中井村の均介」として一部で有名な、城郭研究家の中井均氏を始め、加藤理文氏、三浦正幸氏、小和田哲男氏といった本誌読者にはおなじみの諸先生方が講演を行うのも、城郭ファン・歴史ファンには楽しみだったりします。
 さて、そうしたイベントになんと拙者が名指しで呼ばれたのであります。「おお。ワシもこれでセンセイの仲間入りじゃ……ところで中井先生、私何話せばいいんですか?」
「あんまり喋らんでエエよ。鎧着て、鉄炮足軽連れてきてくれれば」
「えっ?」
「浜松城で、城の説明するんだけど、ふつうの歴史ファンに城のことを知ってもらうには、甲冑武者使うとわかり易いし、おもしろいやん」
「えぇっ?!」
「甲冑着て城歩けるで」
「あっ。行きます行きます。この度は樋口傭兵カンパニーをご用命頂き誠にありがとうございます」
「なんやソレ」
 そんなわけで11月7日に行われた「浜松城徹底見学会」。鉄炮足軽に実際に動いてもらい、ふつうの見学会や講演ではなかなか理解しにくい城郭の防御戦術の基本を、見学のお客様にわかりやすく説明するということを主眼にしました。
 中井先生が主に城の基本構造を。加藤先生が考古学的見地から。拙者は戦術について説明しました。
 ちなみに前日は「50人くらいのお客さんがちょうど良いですね」なんて話しをしていたのですが、蓋を開ければ100人を超える盛況。いささか手前味噌でありますが、お客さんには充分楽しんでいただけたようです。
 実は、上記の会話はフィクションでして(似たような会話は良くしていますが)、中井先生と拙者はここ数年にわたり、「楽しくて(笑えて)ためになる歴史イベントをしたいですね」と、機会を待っており、それがようやく結実したのです。
 名づけてエデュケーション&エンターテインメント。今後もこうしたイベントを続けたいので、これを読んだ地方自治体の皆様、ぜひともお声をおかけください。
 だけどエデュケーション&エンターテインメントって「歴史群像」の本質でもあるな。

使番役のミリタリー・ライター用宗左近。想定外に膨れ上がったお客さんをさばいたり、鉄炮頭の代理を務めたり大忙しだった。しかし使番というよりは野伏せりに見えるゾ。

鉄炮放ちの長太夫(左)と勘兵衛(右)。旗は本多平八郎組のもの。両名とも古式銃の資格を持っているので、銃はホンモノ。

(文=樋口次郎太郎)