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歴史群像バックナンバー

軍事マニアも唸る『この世界の片隅に』

 アニメ映画『君の名は。』が日本国内で公開された映画の興行収入で歴代7位につけて、さらに記録を伸ばす勢いだ。さらにディズニー映画の『ズートピア』と『ファインディング・ドリー』がヒット。9月に公開された『聲(こえ)の形』も大ヒット公開中。2016年はアニメ映画の当たり年といわれている。その最後を締めくくると見られているのが現在公開中の『この世界の片隅に』だ。
『この世界の片隅に』の片渕須直監督は、執筆者として歴史群像のムックに原稿を書いていただいたこともあるほど軍事に造詣が深い。この映画の紹介記事を今号の巻頭に掲載するに当たって、編集部は片渕監督のインタビューを行った。相次ぐマスコミの取材と、まだ色味の修正が続く忙しい最中のインタビューだったが、予定時間を超えて話を聞くことができた。
 作品が戦時中の呉軍港を主な舞台としているため、インタビューでは『大和』その他の海軍艦艇や軍事考証を中心に話を聞いたが、その造詣の深さと映画の準備段階で収集してまとめ上げた膨大な資料には記者も舌を巻くほどだった。片渕監督の語り口は淡々としていたものの、この作品に対する並々ならない思い入れと苦労が伝わってきた。
 インタビューに先立ってマスコミ試写を観たが、軍事ファンの琴線に触れるだけでなく、エンターテイメントとしても完成度の高い作品に仕上がっている。

 (by 名無し1等水兵/歴史群像140号)