編集後記

やっぱり戦史ファン

 先日、ちょっとした機会があって、航空自衛隊百里基地を見学させていただいた。陸戦屋の拙者としては、空自の基地見学など初めての経験。「おおっF15の実物が見れるぞ!!」と、期待と興奮のなか、いざ茨城県へ。
 がしかし、実物のF15を見て、自分のなかに予想したほどの興奮が湧き上がってこなかったのだ。いや実際に見た光景は、F15がハンガーから引き出される場面や、エプロンでのアイドリング(すごい轟音)から、綺麗に並んでタキシーウェイに出ていく様子。さらに離陸と、飛行機マニアならずとも男の子ならもう鼻血吹きそうなシチュエーションなのだが……おや、オレハドウシタノダ。
 実は、そうした光景よりも興奮したのが、整備ハンガーの巨大さや、高度にシステム化されたその内部、そして各種整備用器材。なんでこんなものに興奮したかといえば、太平洋戦争中は、こうした組織や器材をはるかニューギニアまで運んだんだよな…などとつい考えてしまったからだ。そう、航空戦の大変さの一端を、実物を見ることで想像できてしまったからなんだよね。戦史ファンとしては。
 もっとも、F15に興奮せず支援組織に興奮してるのは、人としていかがなものかと……。
 で、同行した治部少輔殿に「殿は、なにが面白かったでござるか」と聞いたところ「事務室なんかに貼ってあった編制図。一機あたりの支援人員の数を計算していた」
 だって。さすが治部少。
 戦略・戦術・戦史マガジン『歴史群像』は変態どもが創ってます。

(by 本当はイーグルよりもファントムが好きな40代の次郎太郎/
歴史群像94号)

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