編集後記

期待の歴史劇

 今号でご紹介した映画『300(スリーハンドレッド)~帝国の進撃~』。あの一世を風靡した『300』の第二章ということで、期待される向きも多いだろう。ペルシア戦争を舞台にしたコミックが原作で、前作同様CGを多用。史実を基にした大胆な脚色により独自の世界観を作っている。スローモーションを駆使し、ペンキをぶちまけた様な血飛沫が飛ぶ戦闘シーンは相変わらずのノリの良さ。特に今作ではペルシア海軍を率いて戦うアルテミシア(エヴァ・グリーン)の悪のヒロインぶりが最高で、彼女を見るだけでも価値ありである。
 20世紀より前の戦争ともなると、こうした史劇がその世界を身近に感じるきっかけとして大変役に立つ。歴史ものは欧米各国をはじめ、結構作られているようだが、日本で公開されたり、ソフト化される作品が少ないのは残念。風の便りを聞いて今一番期待しているのは、かのスタンリー・キューブリック監督が脚本まで完成させながら、遂に撮れずに終わった巨編『ナポレオン』。これを、スティーブン・スピルバーグがテレビ用にミニシリーズ化しようという企画だ。昨年末には、監督や放送局の候補と交渉に入っことが伝わった。実現すればえらく凝ったナポレオン戦争絵巻が見られそうで、大変楽しみです!!

(by 吾助/歴史群像125号)

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