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歴史群像バックナンバー

戦国合戦大ディオラマ希望!

 欧米の古戦場の記念館を訪ねて、その展示の充実度に感激した方も多いだろう。中でも戦場全体のイメージをビジュアルに伝える巨大なパノラマ画や、模型の人形を駆使した大型ディオラマの類はインパクトが強い。19世紀を中心に隆盛したパノラマは、単純に言えば円筒形の建物の内壁全周に巨大な絵画を張り巡らし、中心部から鑑賞するもので、僕もかつてのロシア取材で見た、ナポレオン戦争「ボロディノ会戦」や「スターリングラード攻防戦」のパノラマ画の、目を見張る迫力と説得力を忘れることは出来ない。
 ところで我が国の侍や戦国合戦は海外にもファンが多く、彼らは市販のメタルフィギュアの製作やウォーゲーム、果てはコスプレなどを自由に楽しんでいる。参考資料も多く、世界で最もポピュラーな軍事出版社の一つ、英国オスプレー社には30タイトルほどのサムライものがあり、その内容も、甲冑や武器、城から、有名武将やその旗指物、足軽、僧兵などの解説、「Kawanakajima」「Nagashino」など個別の合戦の研究……とバラエティーに富んでいる。そうした誌面では、我が国の合戦テーマパークの展示や、時代祭り系のパレードの写真が紹介されており、それなりに味はあるのだが、胸に迫るような迫力には乏しい。
 だからというわけではないが、そろそろ我々日本の歴史ファンも、関ヶ原や長篠、川中島など記念すべき古戦場の博物館で、時代考証が行き届いた巨大な絵画や、数千体の精巧な人形が織り成す大ディオラマを目にしたい、などと夢想しているのは……、やはり僕だけか??

(by 吾助/歴史群像96号)