編集後記

武道始め

 去る1月12日の成人の日、東京日本武道館にて行われた武道始めに参加してきました。これは毎年、日本武道館主催で行われる剣道、柔道、空手道、少林寺拳法などを中心とした公開演武を兼ねた大稽古始めで、日本全国の稽古始めを代表する行事です。
 注目なのは甲冑始めの儀。日本甲冑武具研究保存会会員が中心となって古式ゆかしく甲冑を着用し、鎌倉時代の出陣式を再現するのですが、これだけ大鎧を身にまとった武者が集合することは映画やドラマでもまれでしょう。私も憧れの胴丸姿となり、雑兵として供奉したのですが、当日の作法、所作の指導はなかなかに厳格で、これを指導されていたのはなんと有名な現代の甲冑師の最高峰である三浦公法先生だったのです。これだけ見てもこの式のレベルの高さが解ろうというもの。
 さらに元文部大臣で日本武道館会長の松永光氏が大将軍に扮し、巨大な鏡餅を割り、鯨の声を上げて今年の武道の安全といっそうの発展を祈念しました。
 つづく各武道の演武では各部門最高峰の演武が惜しみもなく披露され、これも一見の価値あり。毎年、成人の日に合わせて開催されるようなので、歴史好き武道好きの方は一度見学してみてはいかがでしょうか?

(by 三左衛門/歴史群像93号)

NEXT    TOP    BACK