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歴史群像バックナンバー

数字に現れないスペック!

「日の丸の翼」で、陸軍の「九三式双軽爆撃機」を取り上げました。ユンカース式“トタン板”の古色蒼然とした機体ですが、陸軍独自の爆撃機運用法の確立に重要な役割を果たした爆撃機です。戦間期に開発された航空機には、実用性とともにその時期ならではの“役割”を担った機体が多い。戦術や運用法の確立といった、スペックの数値には表れない要素が重要であった機種は少なくありません。九三式双軽爆もそんな機種の一つといえましょう。大切なのは、運用法確立に役に立ち得たことだったのだと実感させてくれます。
 必要な時期に必要な性能を満たし必要な場所にある――加えるならば必要な数を満たせることも軍用機にとっての重要スペック。もちろん「日の丸の翼」は、目的を満たせた機種ばかりでなく、惜しくも役割を果たせなかった機種にも「なぜ?」に着目して探求します。そんなわけで、138号は「九四/九六式艦上爆撃機」です。地味な機種ですが戦間期当時の海軍の事情に由来した、開発のプロセスはとてもドラマチックです。

 (by 熊右衛門尉/歴史群像137号)