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歴史群像バックナンバー

コース料理に「作戦術」の本質を見る

 拙者のかねてからの持論は、料理も戦争も大切なのは、諸兵科協同に火力と機動ということ(笑)。
 戦争はともかく、なんで料理が? というと、美味しい料理を作るには、各種の食材の協同(最新の用兵学的には“ハーモナイズ”という)と、適切な火力運用が必要でしょ。で、サーブするのと食べるのには機動力が必要。温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べましょう、これが機動力。
 さて先日、某所で大変美味しい和食のコース料理をいただいたのですが、このとき思いついたのが、コース料理には「作戦術」が必要だということ。一皿ごとの料理は、その完成度もさることながら、前の料理を受けて次の料理に継る味にしなければならない。そして最終的に「あぁ美味かった」という戦略目的に到達しなければならないのである。これを「作戦術」と言わずしてなんとする。
 ……食事の最中にそんなこと考えてるなんて、ずいぶんと野暮なことなんだけど、「住する所なきを、まず花と知るべし」と、これも野暮よりも努力の表れということで、ゆるしてください。

( by 樋口左衛門尉/歴史群像117号)