制作こぼれ話

東三河・古宮城へ行ってきました(歴史群像143号)

城の南側にある白鳥神社。

視界を遮る霧。20mくらい先はもう見えない。合戦でこういう状況だとしたら、かなりの恐怖感を抱くだろう。

城の来歴などを解説する案内板。

「続100名城」に選ばれる!

 4月上旬、連載記事「戦国の城」の取材のため愛知県新城(しんしろ)の古宮(ふるみや)城へ行ってきました。今回はこの取材について話したいと思います。

 ところで、取材直前の4月6日「城の日」、日本城郭協会が「続日本100名城」を発表しましたが、そのひとつに古宮城が選ばれました。小牧山城、吉田城とともに愛知県からは3つの城が選ばれました。

 今号で古宮城を取り上げることはだいぶ前から西股先生からのご提案を受けて決まっていたので、今回の選定は想定外、まさに偶然のグッドタイミングでした。

東三河は雨…

 が、数日後の取材当日は雨……。ちょっと落ち込みながらも、豊橋駅で記事担当の「小平太」と合流、レンタカーで出発、国道151号線を東北東の新城(しんしろ)方面に向かいます。
 杉山北交差点で左折、国道301号線に入ります。しばらく進むと次第に上り坂になってきます。新東名高速道の高架下をくぐってさらに走ると旧作手(つくで)村のエリアに。作手村は現在は新城市の一部。山間の村ですが盆地のため、周囲を見回すと山に取り囲まれており、また水田が多いため、平地にいるように錯覚してしまいます。

 古宮城は国道301号線沿いの「道の駅つくで手づくり村」の1キロちょっと先の右手(東側)にあります。上記のように周囲が水田のため、独立丘につくられた古宮城の姿はだいぶ手前から視界に入っています。ちなみに上記の道の駅の裏には、小誌の記事でも触れられている亀山城があります。

古宮城を探索する

 古宮城に到着。雨は少し激しくなってきましたがなんとか撮影はできそう。南側に神社があり、その裏から城へと入ります。雨もそうですが、むしろ霧が邪魔で見通しが悪い。霧が立ち込めていると写真がうまく撮れません。しかし、雨が次第に小ぶりになるとともに霧も晴れてきました。ここぞと、城の各部を急いで回ってシャッターを切っていきます。

 そうして撮影した写真の一部が小誌6月号に掲載したカットです。23ページ下のカットなどから、当日の天候をご理解いただけると思います。

 その時、ふと、背後から声が聞こえてきました。振り返ると、城郭ファンと思しき男性2人組が我々と同様に傘を差しながら場内を見てまわっています。冷たい雨の中だったのでなおさら、援軍が現れたような、うれしい気分になりました。 

(文/たけ蔵)

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