岡城取材こぼれ話(歴史群像134号)
連載記事「戦国の城」では、できうる限り編集部員が現地取材を行いますが、山奥の城も多く、一人だと危険もあるため、二人組で行くことが多いです。
今号の城は滝廉太郎の「荒城の月」で知られる大分県(豊後)竹田市の岡城。私と担当の小平太が現地を取材しました(ちなみに小平太は大分県の別府出身です)。
取材では、著者の先生からいただいた縄張図を見ながら重要な部分を撮影しつつ城を回ります。これが取材の目的ですが、それ以外にいろんな体験や小さな発見をしたりします。そこで今回は、岡城取材でのこうした「こぼれ話」をいくつか。
1)「だんご汁」
だんご汁。白いものが「だんご」。左上のゆず胡椒を入れるとまた違った味わいに。
ひと口たべてみると、これがうまい! 一見すると山梨県の「ほうとう」のようにもみえますが、讃岐うどんのように弾力があって、かつ、味噌とカボスの香りが絶妙に合います。
取材の楽しみのひとつが食べ物ですが、これはアタリでした。
2)多数の便所の謎
便所のひとつ。今の感覚からしたらかなり広い空間の中央に穴があいている。穴の前方に両手を握る部分がついている。
さっそく屋敷の中を歩きまわります。なにかがおかしい……そうだ、便所の数が多いのです。せいぜい10メートル四方程度の一階部分に4~5室もあります。当時の居館とはこんなものなのでしょうか? どなたかご存知でしたら教えてください。
(文=たけ蔵)