編集後記

素晴らしき「B級映画」の世界

 映画というのは、超大作や、良質で小粋な佳作もいいが、「B級」もなかなか味があるもの。空ぶかしでフル回転気味の、暴走した監督の情熱が小生の心を捉えて離さない。
 年末に編集部の藤四郎から借りて観たゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』は、巨匠ロメロの『ドーン・オブ・ザ・デッド(邦題:ゾンビ)』への愛と敬意に満ちたコメディ・ゾンビ映画(そんなジャンル、あるのか?)の名作だった。一方、別の知人から借りた『ジャイアント・スパイダー大襲来』は、ハリボテの山車のような巨大クモの造形からして脱力感満点で、心が和む。
 2007年の締めくくりは「ゾンビ」と「巨大クモ」だったが、2008年の出だしは筺の中の魍魎でも覗いてこようか、と思っている。

(by菌之介/歴史群像87号)

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