編集後記

歴史は俺達に何をさせようというのか

 上記は、SF時代劇にして熱い青春映画でもある『戦国自衛隊』(もちろん千葉真一主演の方)からの引用です。この映画はご存知のとおりタイムスリップにより戦国時代に送られた自衛官が、「歴史」に介入することの是非に悩みつつも、生命を散らしていく話ですが、まさに「歴史」に人生を狂わされた男たちの心の叫びがこの映画のキャッチコピーとなっています。
 実は小生が史学を専攻していた学生時代、図書館にこもり、連日の徹夜で、ゼミのレジュメ作りに追われながら、ふと頭をよぎるのが、まさに前述の「歴史は・・・」のセリフでした。「趣味」を「義務」にするのも考え物だなと。もちろんこの時の体験が今に活かされていたりするわけですが。
 そして時は巡り、縁あって愛読書だった『歴史群像』編集部で働くようになり1年半、「趣味」であった歴史は「仕事」となりました。編集長のダメだし、先輩編集者たちの怒号に耐えながら、偶数月ごとに必ずやってくる「締切り」という時の魔物に追われる日々。編集部にこもり、連日の徹夜で、記事のレイアウト作り等に追われながら、ふと頭をよぎるのが、まさに「歴史は・・・」の思い。ついには旅行に出かけても丘を見れば城跡では?盛土を見れば土塁では?と妄想し、土が剥き出しの工事現場をみるだけで城を連想するように。今や「仕事」のみならずプライベートにまで「歴史」が介入してくる始末。雑誌『歴史群像』はこうした、「歴史」の超越的な魔力(魅力?)により人生を狂わされた男たちが作っております。
 編集長、次号(110号)では、「歴史(群像)」は俺たちに何をさせようというんですか!?

(by JJサニー小平太/歴史群像109号)

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