編集後記

映画『ワーテルロー』のDVD遂に発売!

 昨年の本誌10月号(133号)巻頭で、ベルギーで開催された「ワーテルローの戦い」200周年記念行事をご紹介したところ、おおむねご好評をいただいた。その際、日本版DVDの発売が望まれる作品として、この戦いを正面から描いた映画『ワーテルロー』をご紹介した。国内では長年廃盤となったトリミング版VHS しか存在せず、ファンをやきもきさせてきたこの作品がついにDVD化されたのでご報告したい。
 本作品は、いうまでもなく英雄ナポレオン最後の戦闘にして、その世界史からの退場を招いた史上有名な会戦を、現在では想像もつかないスケールで描いた巨編である。制作は45年以上前で、当然今日のようなCGなき時代。ナポレオン戦争の壮大なイメージを再現するため東西の映画人が協力し、戦場を再現したウクライナの広大なロケ地に旧ソ連兵2万人と騎馬1500頭をエキストラとして投入。ロッド・スタイガー(ナポレオン)、クリストファー・プラマー(ウェリントン)、ダン・オハーリヒー(ネイ元帥)ら西側から多くの俳優が現地入りして、熾烈な戦闘を映像化した。監督はソ連版『戦争と平和』のセルゲイ・ボンダルチュク。
 今回は「TSUTAYA復刻シネマライブラリー」の一枚として、オンデマンド方式のDVD(ユーザーの注文後の生産)として販売されるため納期に時間がかかり(筆者もアマゾン経由で注文後10日以上たったが未入手)、また価格もやや割高で、特典はおろか予告編もついていないが、日本語字幕のシネスコサイズで見られるのはありがたい。パッケージは日本公開当時のポスターに準じ、肩を落としたナポレオンの後姿をアップに、最後の抵抗を図るフランス軍皇帝親衛隊を背景にした、オールドファンには懐かしい絵柄のようだ。
 超大作、スペクタクルといった言葉は映画宣伝では使い古されてきたものだが、そうしたキャッチコピーが掛け値なしで納得できる稀有な作品である。同シリーズには再生機の制約(PCやメーカーによって視聴困難など)や、画質についての様々な意見もあるようなので、まずはホームページをはじめユーザーの意見もチェックされた上で、この機会にぜひご鑑賞いただきたい

 (by 吾助/歴史群像136号)

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