
No.189~190
歴史群像 No.190 2025年4月号
~~今号の内容~~
■ 第一特集
●日米空母徹底比較
搭載機数、飛行甲板から航続力、装甲防御まで
太平洋戦争において、海戦の主役となった航空母艦。日米が運用した空母にはどのような違いがあったのか、その相違点を項目別に比較する。
■ 第二特集
●【朝鮮戦争】仁川上陸&ソウル奪回作戦
マッカーサーと国連軍による乾坤一擲の賭け
北朝鮮軍の怒濤の進撃の前に韓国の首都ソウルは陥落し、国連軍は釜山で包囲された。その絶望的な状況を打開すべく立案・実行された「クロマイト」作戦の全貌に光を当てる。
■ 第三特集
日本海軍の失われた可能性
●秋山真之
―その兵学思想の全貌―
日露戦争の日本海海戦において聯合艦隊参謀として、ロシア・バルチック艦隊を破る作戦を立案した秋山真之。卓越した戦術家であるとともに日本海軍を代表する兵術研究家でもあった。その優れた先見性と洞察力によって確立した「秋山兵学」の全貌と生涯に迫る。
■ 検証/ドキュメント
島津家中激震!
●庄内の乱
抹殺のあげく国賊とされた伊集院一族
伏見の薩摩屋敷で伊集院幸侃が島津忠恒により殺害された。筆頭老中幸侃は秀吉が認めた実力者で庄内八万石を有していた。しかし徳川家康の意向により、忠恒に対する処罰はなく、激怒した幸侃の嫡男忠真は都之城以下、十二の城を固めて島津氏に反旗を掲げた。庄内の乱の勃発である。戦いは長期化の様相をみせ、焦った家康は九州の諸大名に島津氏への与力を命じた。ここに至り、島津家中の内紛は豊臣政権を巻き込む公的な戦いへと変質した。島津家を揺るがせた内乱の真相と、その複雑な構造に迫る。
●MG34とMG42
ドイツ陸軍が生み出した二つの万能機関銃
第二次世界大戦時の傑作機関銃として名高いドイツ軍のMG34とMG42。その誕生の経緯から運用方法までを解説する。
●「何もない城」から何を読み取るか
城が「消える」理由とその痕跡から往時の姿を読む方法
天守も石垣もなく、碑のみがたたずむ城跡。「何も残っていないから……」と通り過ぎてしまいそうになるが、はたしてそれでよいのだろうか? 城が消滅した理由や残された地形を丹念に探れば、それまでとは違った景色が浮かびあがってくる─。
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●ロシア戦役[第10回]
ベレジナ渡河作戦(Part.2)
ベレジナ河に架橋し、退却を図るナポレオン軍であったが、大量の落伍兵、傷病兵をかかえながらの渡河は困難を極めた。追撃するロシア軍とかろうじて戦いながら、ナポレオンのロシア遠征は終焉を迎える。
歴群シネマガイド
●中南米/オセアニア/ヨーロッパ諸国の戦争映画
まだまだある、世界の埋もれた秀作
「戦争」はあらゆる国の映画界で共通する重要なテーマである。本連載「製作国別編」の締めくくりに、取り上げられる機会が少ない国々の多様な戦争映画を、筆者独自の視点で紹介する。
■ インタビュー
空母『信濃』通信員
●蟻坂四平
海軍に憧れ、通信員となった弱冠16歳の少年兵が体験した、空母『信濃』の最初にして最後の航海。
■ カラー企画
●無限軌道走行装置を知る
①履帯の構造と材質
●再考 中国大返し
同時代史料が浮き彫りにする「奇跡」の実態
秀吉は、信長が弑された本能寺の変からわずか12日間で主君の仇を討った。それは「神業」として語られることが多いが、はたして実態は? 「大返し」の背景と内実に迫る!
●朝鮮戦争 博物館・史跡探訪記
●戦争と薬
兵士の命を救う化学が生んだ"戦友"
歴史群像フォトギャラリー
●第二次大戦期各国の航空魚雷
■ カラー連載
【日の丸の轍】日本陸軍が戦車より早く配備した装軌車両
●ホルト・トラクター
【縦横無尽! 世界戦史】近代以前の戦争 その6
●トゥキュディデスの新しい罠
【蒼空の記憶】洋上でのさまざまな任務で活躍した飛行艇
●ブローム・ウント・フォス BV138
【戦士の食卓】~映画『スターリングラード』より~
スターリングラードからの脱走兵が最後に口にした
●ドイッチェ・サラミ
【迷宮歴史倶楽部】
●戦後80年間、密かにたたずむ奉安殿①
(絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第十六話〉不可侵条約
■ 連載コラム
・日本100名城と武将たち 大内氏館×大内義隆
・負けじ魂、これぞ船乗り
・信長の独断
歴史群像 No.189 2025年2月号
~~今号の内容~~
■ 第一特集
●零戦と堀越二郎
「欠陥機」から「完成形」五二型への軌跡
国産艦上戦闘機の開発を目指した日本海軍。その求めに応じた航空機設計者の堀越二郎。七試艦戦から零戦の原型・十二試の開発と二度の空中分解事故…。「完成形」とでも言うべき五二型登場までの苦難の道程を追う。
■ 第二特集
独ソ戦 クルスク戦の焦点
●プロホロフカ戦車戦の虚実
虚像はいかに作られたか?
1943年のクルスク戦で発生したプロホロフカの戦いは、独ソ両軍計1500両の戦車が参加した戦いとして知られてきたが、実際はどのような戦いだったのか? ソ連時代とソ連崩壊後に刊行された文献を基に、「虚像」が作られた経過とその実像を探る。
■ 第三特集
後醍醐天皇 vs 足利尊氏
●建武政権の崩壊
南北朝動乱の嚆矢となった足利尊氏の蹶起
元弘3年(1333)、鎌倉幕府を打倒した後醍醐天皇は親政を開始。しかし、その急進・革新的ともいえる政策は、武士・貴族ら既得権益層からの支持を得られないまま、北条高時の遺児である時行の蜂起を契機に足利尊氏が政権から離反、「建武の新政」はわずか二年半で崩壊することなる。約五〇年の動乱の時代の幕開けとなった建武政権崩壊の過程を追う。
■ 人物伝/検証/ドキュメント
●蒲生氏郷
"世に優れたる利発人"の知られざる生涯
近江日野の一領主の家に生まれながら、織田信長の婿となって数々の武功を挙げ、果ては豊臣政権の奥羽支配の要として会津九二万石の太守へと破格の出世を遂げた蒲生飛?守氏郷。各地の戦場で自ら先陣をきって戦う猛将であり、かつ、当代きっての教養人でもあった傑物の知られざる生涯とは――。
日清戦争 朝鮮半島の戦い②
●平壌の戦い
朝鮮半島における日清両陸軍の最後の攻防戦
成歓の戦いに勝利した日本軍は、清国軍が立て籠る平壌めざして北上を開始した。これに対し、清国軍は約二万の兵を集中して守りを固めた。城壁に囲まれた平壌をめぐる攻防戦の実相とは?
●日本海軍 航空魚雷・雷撃法発達史
「高高度・高速投下」の追求と限界
早い時期から国産化と性能向上、戦術の洗練化と訓練に努め、やがて太平洋戦争緒戦で花開くわが海軍の航空雷撃略史。
歴群シネマガイド
●アジア諸国の戦争映画
映画に描かれた東アジア、東南アジアの近現代史
かつて日本に占領、統治された歴史をもつアジア諸国で製作された戦争映画、および近現代史を扱った映画を紹介。現代日本にも深くかかわる歴史的視点に満ちた、必見の作品群!
Y委員会と海上警備隊の誕生
●小海軍をつくる
戦後の海上防衛兵力策定の起点となったY委員会。その参集に至るまでの旧海軍側と海上保安庁側のかけひき、日本政府の秘めた思惑、アメリカ海軍の支援…。そして誕生した小粒ながらもやる気十分のスモール・ネービー!
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●ロシア戦役[第9回]
ベレジナ渡河作戦(Part.1)
1812年11月、酷寒の中で休みなく退却を続け、疲弊しきったナポレオン軍は、前後に迫るロシア軍の脅威にさらされながらもベレジナ河の渡河点に到達する。ここにおいて、本戦役最後の会戦が生起することとなる。
■ カラー企画
カラードキュメント
CG彩色でよみがえる!
●ビッグセブン
軍縮条約が生んだ最強の戦艦たち
ワシントン軍縮条約の結果、16インチ砲を搭載した7隻の戦艦が生まれた。ビックセブンと呼ばれた、この当時最強の戦艦たちの誕生の経緯を彩色写真と共にたどる。
「防弾装備の不備」は本当か? 緑色の明細は何のためだったのか?
●零戦五二型をめぐる伝説を検証する
歴史群像フォトギャラリー
●ブラックバーン・バッカニア その開発と運用
艦上攻撃機から空軍戦闘爆撃機へ
■ カラー連載
【戦国の城】北条氏滅亡後、戦国有数の巨城はどう変貌したのか
●【相模】小田原城
監修・文=諏訪間 順(小田原城天守閣館長) イラスト=香川元太郎
【日の丸の轍】太平洋戦争で普及した代用燃料車
●木炭自動車と薪自動車
【蒼空の記憶】さまざまな任務に多用された艦上攻撃機
●フェアリー・バラクーダ
【縦横無尽! 世界戦史】近代以前の戦争 その5
●「西洋」の戦争の始原
【戦士の食卓】特殊部隊ジェドバラ・チームが潜入地で舌鼓を打った
●子鴨のロースト
モリナガ・ヨウ【迷宮歴史倶楽部】戦場の銀輪
●軍用人力二輪車発展史⑧
■ COMIC 連載 第12回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第十五話〉偶像破壊
■ 連載コラム
・日本100名城と武将たち 大内氏館×大内義隆
・負けじ魂、これぞ船乗り