
No.177~
歴史群像 No.177 2023年2月号

~~今号の内容~~
■ 第一特集
●太平洋戦争時の日本巡洋艦
戦闘艦の中核に至る系譜と整備計画
伝統的な軽装快速艦が新たに「軽巡」として蘇ろうとするとき、日本海軍もまたその意義に気づき追従に入る。やがて大型化し準主力艦として迎える太平洋戦争。短くも燃え盛り、燃え尽きたその三十年をたどる。(文=大塚好古)
■ 第二特集
●戦国大名 徳川氏の勃興
松平一族の台頭と家康の三河平定戦
鎌倉時代以来、足利氏の一大根拠地だった三河国。その山間部の一土豪であった松平氏は16世紀に西三河の有力国衆へと成長。東西の大勢力に挟まれながらも、「第九代」当主・家康が今川家からの自立を果たし、国衆間の抗争を制して三河一国を平定する。知られざる松平氏九代と「徳川三河守」への過程を追う。本年大河ドラマ「どうする家康」を視聴される方にはぜひお読みいただきたい記事です。(文=山上至人)
■ 第三特集
●戦後日本戦車発達史
わが国の主力戦車開発は何を目指してきたのか?
米軍供与戦車、61式、74式、90式から10式戦車へ。戦後の空白期を経て始まった日本戦車の国産化。以後、時代とともに発達を遂げた国産戦車の変遷をその開発の背景とともにたどる。(文=古峰文三)
■ 検証/ドキュメント
地形と地質から読み解く
●琉球・沖縄戦史
石灰岩、グスク、反斜面陣地
古琉球時代、有力者が割拠して覇を競ったグスク時代。丘陵を巡って日米両軍が死闘を繰り広げた沖縄戦。時代は異なっても攻防の舞台となった築城と戦場は、沖縄本島の地質と地形が関係していた。「石灰岩」をキーワードにその実態を考察する。(文=坂井尚登)
根っこからわかる! 日本史の基礎講座
●第6回 氏・姓・名字の話 其之弐
変遷する名字と苗字への展開
(文=桐野作人)
●20世紀スペインの独裁者 フランコ伝
国土荒廃と安定統治、二つの相貌
内戦でドイツ、イタリアに支援されながらも第二次大戦では参戦要請をはぐらかし、米英に嫌われながらも戦後西側社会に地位を得た現代スペインの立役者フランコ。政治的安定と引き換えに圧政を敷いた軍人政治家の実像。(文=山崎雅弘)
太平洋戦争の連合軍策源地をめぐる日本海軍の戦い
●豪州本土海軍作戦
第一段作戦後の南方戦域安定のため、大本営は米豪を遮断することを企図し、オーストラリア本土に対するさまざまな作戦を実施した。オーストラリア本土への爆撃から通商破壊まで、諸作戦の実相を見る。(文=勝目純也)
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争Part 57 半島戦役の支作戦
●カタルーニャとバレンシア[前編]
スペイン東部のカタルーニャとバレンシア。半島戦争の主戦場から離れているが、戦略的に重要な地域であり、フランス軍・イギリス軍・スペイン軍が相争う地であった。(文=佐藤俊之)
■ カラー企画
元陸上自衛隊戦車小隊長が振り返る
●61式戦車 迷彩試作記
陸上自衛隊で戦車の迷彩が正式に採用される以前の1980年代後半、戦車教導隊において行われた61式戦車を用いた迷彩塗装研究。その当事者だった筆者が当時の状況を語る。(文=葛原和三)
カラードキュメント
CG彩色でよみがえる!
マンロー効果で装甲を穿つタンクキラー
●WWⅡ歩兵携行式対戦車兵器
歩兵の対戦車戦闘能力を飛躍的に向上させた成形炸薬弾。その誕生と、第二次大戦で米英独軍が装備したそれを用いる携行式対戦車兵器を彩色写真で紹介する。(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【Cover Photo Story】
昭和9年10月
●大阪湾に仮泊中の第五戦隊
(文=編集部)
■ インタビュー
『妙高』『大和』『利根』に乗り組んだ士官
●木村 功
重巡洋艦『妙高』を皮切りに数々の艦に乗り組んだ海兵第70期最後の生き残りが語る各海戦、そしてビハール号事件の実相。(文=久野 潤)
■ カラー連載
【縦横無尽! 世界戦史】よみがえった通常戦
●ウクライナ戦争を読む (その1)
ロシア軍はぜ「弱い」のか。11の失敗の原因とは? また、ウクライナ軍の「強さ」の秘密とは? わかりやすく分析する。(文・図・解説=有坂 純)
【戦国の城】東三河進出を図る家康が占拠した境目の城
●【三河】岩略寺城(文・監修=加藤理文・イラスト=香川元太郎)
【日の丸の轍】空白期を経て開発された戦後初の国産装甲戦闘車両
●60式自走106mm無反動砲(文・監修=古峰文三・イラスト=上田 信)
【蒼空の記憶】アメリカ陸軍航空隊を支えた「凡庸な傑作戦闘機」
●P-40シリーズ(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【戦士の食卓】水兵たちが英気を養う上陸休暇で食した
●ホットドッグ(文・料理・写真=水梨由佳)
■ COMIC 新連載 第3回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争
第一章 冬の王 第三話 プラハ窓外放出事件
いよいよ事態は動き出す!(宮下英樹)
■好評連載!
・日本100名城と武将たち 仙台城×伊達政宗(蓑輪 諒)
・負けじ魂、これぞ船乗り(勝目純也)