No.181~184
歴史群像 No.184 2024年4月号
~~今号の内容~~
■ 特別企画
●新写真発見!
就役から間もない頃の空母『赤城』
多段式飛行甲板時代の秘蔵カットを公開!
(文=編集部)
兵器から読み解く
●『ゴジラ-1.0』
描かれた終戦直後の日本と旧日本軍
リアルに再現された旧日本軍兵器が続々登場する話題の映画『ゴジラ-1.0』。そのこだわりの背景に見えてくるのは、“戦後も戦い続けた者たち”への視線だった。(文=戸津井康之)
■ 第一特集
●実録 戦艦武藏建造
艤装・公試・引渡し…艤装員たちの2年間
『第二号艦』の名称で建造が進められた戦艦『武藏』建造に際しては、艦名を秘匿するだけではなく、その姿を隠すために厳重な対策がとられた。艤装員として建造現場に参加した海軍軍人たちの証言から、艤装と公試の実態に迫る。(文=手塚正己)
■ 第二特集
●本願寺顕如vs.信長 大坂十年戦争
信長を苦しめた武装教団の結束力
本願寺宗主・顕如は、上洛した信長から多額の札銭を課された。それを納めたものの、両者の関係は徐々に険悪になっていき、真宗門徒の挙兵をうながす大坂本願寺の鐘が鳴り響いた。これが大坂を中心とし、諸国の大名や一向一揆を巻き込んで繰り広げられた、本願寺と信長の長い戦いの幕開けであった。(文=桐野作人)
■ 第三特集
二十世紀フランスを動かした「巨人」の足跡
●ド・ゴール伝
第二次大戦緒戦で敗れたフランス。誰もが敗北に打ちのめされる中、一人の男が徹底抗戦を呼びかけた。今も現代フランス政治に多大な影響をあたえている「巨人」の事績を解き明かす。(文=山崎雅弘)
■ 検証/ドキュメント
深刻な脅威に対抗する小国空軍の歴史と課題
●台湾空軍
1949年、国共内戦に敗れた中華民国政府は、中国大陸から台湾へと逃れ、以後75年にわたり、中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)の「2つの中国」の対立が続いている。その最前線で中国軍と対峙するのが台湾空軍の生い立ちと直面してきた問題、そして現状とは?(文=古峰文三)
"九州の桶狭間"を制した島津義弘の用兵
●木崎原の戦い
天文23年(1554)、有力分家との抗争を制した島津貴久は「三州太守」として薩摩・大隅・日向の平定に邁進するが、日向随一の勢力となっていた伊東氏と激突する。戦国南九州の覇権をかけた両雄の一大決戦を概観する。(文=長南政義)
「建国の父」は独立戦争をいかに勝利に導いたのか
●軍人 ジョージ・ワシントンの戦い
初代アメリカ合衆国大統領としてあまりに著名な「建国の父」ジョージ・ワシントン。大陸軍総司令官として独立戦争最大の英雄でありながら、意外に語られることの少ない、ワシントンの軍人としての側面を見ていく。(文=荒川佳夫)
最強の城を考える【番外編2】
●陣屋
"もう一つの近世城郭"の正体
江戸時代に城を持つことができなかった大名たちが住んだ陣屋。藩政の中心地という点では城と同じ役割を持つが、城の本質である軍事面ではどうだったのだろうか? 陣屋の正体を構造・防禦の視点からさぐっていこう。(文=西股総生)
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●ロシア戦役[第4回]
ボロディノの戦い(Part.1)
スモレンスクの会戦ののち、後退戦術を取ってきたロシア軍は、総司令官をミハイル・クトゥーゾフに交代させ、ロシアに深く入り込んだナポレオン軍との一大会戦に備える。(文=佐藤俊之)
■ インタビュー
戦艦『大和』で沖縄へ向かった最後の生き残り
●疇地 哲
海軍へ志願し優秀な成績を収めて『大和』に乗り組み、マリアナ沖海戦・レイテ沖海戦と沖縄特攻において対空戦闘を経験した二十五粍機銃射手。(文=久野 潤)
■ カラー企画
イラストでわかる!
●海自潜水艦
その発達と進化する能力
海上自衛隊の潜水艦の歴史は、アメリカ海軍から貸与されたガトー級から始まった。そしていま、潜水艦は日本の防衛に欠かせない存在である。進化を続ける海自潜水艦と、その戦闘法について迫ってみよう。(イラスト・文=坂本 明)
歴群シネマガイド
●アメリカの戦争映画
【後編】冷戦~対テロ戦争
第二次大戦終結以降、世界各地で軍事介入を繰り返すアメリカ。時代とともに大きく変化する自国の戦争・紛争の内実を、ハリウッドはさらに貪欲に取り込んでゆく。(文=大久保義信)
■ カラー連載
【戦国の城】石垣造りへと変貌した国境警備の堅城
●【因幡】若桜鬼ヶ城
(文・監修=中井 均・イラスト=香川元太郎)
【日の丸の轍】日本陸軍初の制式戦車
●ルノー甲型軽戦車
(文・監修=古峰文三・イラスト=上田 信)
【蒼空の記憶】連合軍を勝利に導いた「荷役馬」
●C-47 スカイトレイン
(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【戦士の食卓】ビルマ鉄道隊の測量隊一行が食べた
●鯉の味噌汁
(文・料理・写真=水梨由佳)
【迷宮歴史倶楽部】戦場の銀輪
●軍用人力二輪車発展史③
(絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC 新連載 第8回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第十話〉然に非ず
歴史群像 No.183 2024年2月号
~~今号の内容~~
■ 第一特集
●日本陸軍のロジスティクス
日露戦争期の兵站の実態
兵站を軽視していたと語られることの多い日本陸軍。では、その兵站制度はどのようなものだったのか。日露戦争期を対象に、システム、輸送手段から実際の運用まで、その内実を史料と最新研究から具体的に見ていく。(文=長南政義)
■ 第二特集
イスラエル空軍vs.アラブ空軍
●中東戦争航空戦1948-73
国家の存亡を賭けたライバル空軍の熾烈な戦い
東西に薄く、南北に長い国土の防衛的不利を機動性で補いたいイスラエル。広漠なシナイ半島を素早く横断してイスラエルを叩きたいアラブの盟主、エジプト。それには地上の機甲戦力よりも、航空兵力の運用こそがカギであった。4次にわたった中東戦争。その航空戦の実像に迫る!(文=古峰文三)
■ 第三特集
●ナルヴィクの戦い
ノルウェーの要衝をめぐる独軍と連合軍の海陸戦
風雲急を告げるヨーロッパ情勢下、ヒトラーはスウェーデンから供給される鉄鉱石の輸送ルート掌握のため、ノルウェー北方の港ナルヴィクの占領を決定した。極北の地で繰り広げられたドイツ軍と連合軍の戦いの全貌。(文=山崎雅弘)
■ 検証/ドキュメント
●冒頓単于(ぼくとつぜんう)と匈奴帝国
史上初の遊牧帝国はいかに勃興したか
紀元前3世紀末、中国に史上初の統一王朝が誕生した頃、北方の草原地帯でも騎馬遊牧民の統合が進展しつつあった。「英雄」冒頓の事績と遊牧帝国の嚆矢となった匈奴の勃興とを概観する。(文=山上至人)
●戦国島津氏の忍び
知られざる「忍ノ巧者」の実像
戦国島津氏は三州統一の過程で非正規戦術を多用し、「忍び」を動員して敵対勢力に打撃を与えている。「釣り野伏」もまた島津独特の「忍び」の術でもあった。島津氏の三州統一の過程で、「忍び」の名人として活躍し、太守義久から重んじられた濱田民部左衛門を中心に、島津家で練磨された「忍び」の実相とその戦い方を紹介する。(文=桐野作人)
●復員輸送に懸けた青春
邦人引き揚げに尽力した“最後の海軍士官”たち
終戦後、同胞を日本に引き揚げさせる「復員輸送」という任務は、旧海軍の将兵たちが最後の力を振り絞った大作戦であった。(文=上原光晴)
●幻の「蝦夷共和国」
自由を求めた箱館政権の虚ろな内実
幕末の慶応四年八月、幕府海軍副総裁・榎本率いる艦隊は北へ逃れた。やがて蝦夷地(北海道)に上陸した一行は、箱館政権を樹立。戊辰戦争末期に出現したこの政権には、どんな意味があったのか?(文=樋口晴彦)
最強の城を考える【番外編】
戦国乱世をしぶとく生きる
●最弱城郭の世界
「最強」があるなら「最弱」もある──。「弱い城」とはどんな城なのか、なぜ乱世にそうした城が造られたのか。その謎を解き明かすため筆者は関東の山へと向かった──。(文=西股総生)
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●ロシア戦役[第3回]
スモレンスク会戦
フランス軍のロシア侵攻後、ロシア軍の主力はモスクワ間近の古都スモレンスクまで退却を余儀なくされる。そして、この地において本戦役初の大規模会戦が勃発することとなる。(文=佐藤俊之)
■ カラー企画
カラードキュメント
CG彩色でよみがえる!
●バトル・オブ・ブリテン
英国本土防空システム
ダウディングが編み出した「勝利への理論」
ドイツ空軍による空襲から祖国を守り、イギリス空軍を勝利へと導いた防空システムを彩色写真とともに紹介する。(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
イラスト再現
日本海軍の大遭難事件
●美保関事件
日本海軍には様々な艦艇遭難事件が起きているが、昭和に入ると衝突事故が目に付くようになる。今号では、その中でも水雷夜戦という厳しい演習が引き起こした大惨事を振り返っておこう。(文=德富 亨)
歴群シネマガイド
●アメリカの戦争映画
【前編】独立戦争~第二次世界大戦
ハリウッドの徹底的な商業主義と映画人たちの野心、アメリカ人特有の愛国心――それらを通して表現された「アメリカの戦争」とはいかなるものなのか?(文=大久保義信)
■ カラー連載
【戦国の城】
●【信濃】小諸城
近世の小諸城に金箔瓦が葺かれたのはなぜか?
(文・監修=加藤理文・イラスト=香川元太郎)
【日の丸の轍】陸軍制式オートバイの完成形
●九七式側車付自動二輪車
(文・監修=古峰文三・イラスト=上田 信)
【蒼空の記憶】戦場の夜空を支配した「闇夜の地獄猫」
●F6F ヘルキャット夜間戦闘機型
(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【縦横無尽! 世界戦史】
●三十年戦争会戦史
マウリッツ、ティリー、グスタフ・アドルフの戦術と技術(解説=有坂 純)
【戦士の食卓】ロレンスとファイサルが囲んだ夕食
●羊料理 (文・料理・写真=水梨由佳)
【迷宮歴史倶楽部】戦場の銀輪
●軍用人力二輪車発展史② (絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC 新連載 第8回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第九話〉新計画
■連載コラム
・日本100名城と武将たち 勝瑞城×三好実休 (文=簑輪 諒)
・負けじ魂、これぞ船乗り (文=勝目純也)
・信長の独断 (文=大野信長)
歴史群像 No.182 2023年12月号
~~今号の内容~~
■ 別冊付録
本誌オリジナル!
●WWⅡ主要国陸軍 歩兵の軍装カレンダー2024
(イラストレーション=上田 信)
◎日・米・独・英・ソ・仏・伊の7か国の歩兵の軍装を、部位名がわかるイラスト解説で紹介!
■ 第一特集
●日本海軍 空母機動部隊の誕生
最強の打撃部隊〈第一航空艦隊〉の成立
日本海軍の対米艦隊決戦の基本構想“漸減邀撃”。航空兵力の急速な発展下、その中に次第に基地航空・艦隊航空が取り込まれ、やがて日本海軍は空母の集中運用という画期的な思想にたどり着く。そこに至る海軍の葛藤と試行錯誤を紐解く。(文=宮永忠将)
■ 第二特集
北極圏の戦略港をめぐる独ソの攻防
●ムルマンスクの戦い
北極圏に位置する不凍港ムルマンスクの制圧と内陸の重要都市をつなぐムルマンスク鉄道の遮断を意図したドイツは、「冬戦争」でソ連に領土を割譲させられたフィンランドと協同して「銀ギツネ」作戦を実施した。極北の地で展開された戦いの実相に光を当てる。(文=山崎雅弘)
■ 第三特集
日本近代化の主導者
●小栗上野介
その生涯と挫折、そして「徳川埋蔵金」の謎に迫る
日本の近代化の象徴となった横須賀海軍工廠。それを可能にしたのは、国家百年の計を考え、前身の横須賀製鉄所を立ち上げた小栗上野介の力量にほかならない。だが軍制改革のさなか、徳川慶喜の不興を買って罷免され、隠棲地で余生を過ごそうとした矢先、官軍に斬首された。雄図半ばで散った小栗の無念に思いを馳せる。(文=桐野作人)
■ 検証/ドキュメント
日本の戦時航空機生産の裏側
●航空機増産を妨げた液冷エンジン生産計画
日本でライセンス生産されたドイツ製DB601系液冷エンジン。その生産における加工時間や工作機械の問題が航空機増産に与えた影響と、液冷エンジン開発にこだわった陸軍の計画を明らかにする。(文=古峰文三)
●「最強の城」を考える
第4回 最強城郭論の着地点
「軍事」の視点から最強の城を論じてきた本連載もいよいよ最終回を迎える。地域、時期、そして形態の異なる多様な城の中から「最強」の条件を見いだすことはできるのか? そして、「最強の城」を考える意義とは一体何なのか――?(文=西股総生)
英仏露の対立が招いた19世紀の世界大戦
●クリミア戦争
19世紀半ば、「ヨーロッパの病人」とよばれたオスマン帝国。ヨーロッパ列強はその領域へ影響力を行使せんと鎬を削った。ロシアは黒海から地中海方面への進出を目指したが、それを阻止しようとした英仏と激突、泥沼の大規模戦争が開始された。(文=荒川佳夫)
沈黙の提督
●三川軍一の相貌
ただ一枚の写真によってのみその顔と印象を戦後に伝えられてきた三川軍一海軍中将。戦後は沈黙を貫き、またメディアに姿が漏れることもなかったが、太平洋戦争緒戦時の表情を捉えた複数の写真が見つかった。(文=德富 亨[編集部])
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●ロシア戦役[第2回]
フランス軍の侵攻開始
1812年6月、ついにナポレオンの「グランド・アルメー」はロシアへと進撃する。しかし、その緒戦は、ナポレオンの構想通りには進まなかった。(文=佐藤俊之)
■ カラー企画
●イラスト図解 空母の“敵”
現代アメリカ海軍の空母打撃群を脅かすものとは
原子力空母を中心としたアメリカ海軍の空母打撃群は、最強の戦闘システムであり、アメリカの力の象徴である。しかし、空母も無敵ではない。その脅威となるものとは!?(イラスト・文=坂本 明)
没後80年 墜落現場の最新調査によって解明する
●山本五十六の最期
2018年より山本五十六長官搭乗機の墜落現場調査を続ける筆者は、山本長官没後80年目にあたる本年4月、改めて現地を訪れ、ジャングルに眠る機体のさらなる詳細調査を行った。その結果、見えてきた山本五十六の死の実相とは?(取材・文・図=坂井田洋治)
歴群シネマガイド
●ドイツの戦争映画
プロパガンダから深い内省へ
1920年代から先進的な作品を生み出してきたドイツ映画界は、ナチスの台頭と共に、政治宣伝の重要な一翼を担うようになった。そして戦後のドイツ戦争映画は、過去のそんな歴史と決して無縁ではなかった。(文=大久保義信)
■ インタビュー
空母『赤城』『翔鶴』に乗り組んだ戦闘機整備兵
●須藤文彦
ミッドウェー海戦ではあの「運命の五分間」を直に体験。第二次ソロモン海戦も経験した零戦整備兵が語る。(文=久野 潤)
■ カラー連載
【日の丸の轍】軍用オートバイの国産化計画から誕生した特異な車両
●試製九二式路外用側車付自動二輪車 (文・監修=古峰文三・イラスト=上田 信)
【戦国の城】長宗我部と蜂須賀、二度の改修を受けた堅城
●【阿波】一宮城 (文=宮城一木・監修=中井 均・イラスト=香川元太郎)
【蒼空の記憶】イギリス軍を支えたアメリカ生まれの哨戒爆撃機
●ロッキード・ハドソン (写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【縦横無尽! 世界戦史】
●ウクライナ戦争を読む (その5)戦争をめぐる疑問 (解説=有坂 純)
【戦士の食卓】土浦海軍航空隊予科練の食事
●肉入り味噌汁 (文・料理・写真=水梨由佳)
【迷宮歴史倶楽部】戦場の銀輪
●軍用人力二輪車発展史① (絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC 新連載 第8回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第八話〉運命の車輪
★本連載がついに単行本化!第一巻絶賛発売中!
■好評連載!
・日本100名城と武将たち 千早城×楠木正成 (文=簑輪 諒)
・負けじ魂、これぞ船乗り (文=勝目純也)
・信長の独断 (文=大野信長)
歴史群像 No.181 2023年10月号
~~今号の内容~~
■ 第一特集
●ドイツ空軍の東部戦線
真の主役、爆撃機部隊の知られざる戦い
激しい地上戦があまた展開された独ソの戦いにおいてドイツ空軍は地上部隊との協同作戦を行うことが多かった。しかしドイツ空軍は、本当に単なる「戦術空軍」にすぎない存在だったのか。東部戦線という広大な戦場におけるドイツ空軍爆撃部隊に焦点を当てることで、ドイツ空軍が求めていた戦略爆撃思想の姿を炙り出す。(文=古峰文三)
■ 第二特集
頼之、勝元から政元、澄元・高国へ…
●細川京兆家の台頭
いかにして"政権"を確立したか
かつて「守護大名の連合政権」とされ、応仁の乱後に衰退したと考えられてきた室町幕府、実際には中央政権としての機能は失っていなかった。その幕府を支えながら天下人政権の成立まで、独自の権力として台頭した細川氏嫡流・京兆家(けいちょうけ)細川一族の視点から畿内の戦国前史を概観する。(文=山上至人)
■ 第三特集
●検証・日清戦争
威海衛の戦い
陸海軍協同の清国艦隊根拠地攻略作戦
1894年7月25日に勃発した日清戦争において、新興国・日本が"眠れる獅子"清国を打ち破ったことは、全世界を驚愕させた。日本軍はいくつもの錯誤と失策を重ねたが、この戦争で勝利を収めたことは、決して偶然ではなかった。本稿では、清国海軍を壊滅させた威海衛(いかいえい)攻略戦の経緯と、日本軍の勝因を掘り下げてみたい。(文=樋口晴彦)
■ 検証/ドキュメント
●「最強の城」を考える
第3回 戦国期城郭における最強とは?
乱世に生まれ、合戦の中で研ぎ澄まされていった戦国期城郭。地形を生かした巧みな縄張の城、激戦を耐え強敵を退けた城など、強豪がひしめく中で、いかなる城が“最強”たり得るのか!?(文=西股総生)
●島津家久の死の謎に迫る
史料24点の記述から徹底検証!
豊臣政権についに屈しながらも、島津の生き残りを策していた家久の突然の死。死因は本当に毒殺だったのか? 多数の史料からその真相に肉迫する。(文=桐野作人)
●KGB
"プーチンのロシア"を生んだ諜報特務機関
冷戦期、国の内外で活動しスパイや暗殺などの手段でソ連体制を支えた「国家の中の国家」。ロシア革命時の秘密警察チェーカーを源流とし、スターリン時代の内務機関NKVDを経てKGBの隆盛期に至るまでの系譜と、プーチン政権にも受け継がれる特異な精神文化を探る。(文=山崎雅弘)
●二人の駆逐艦長
「猛将」と「勇将」、最前線での奮闘記
太平洋戦争中、日本海軍の駆逐艦は、常に激戦の中に身を置く存在であった。そして大きな戦果の背景には、それ以上の大きな犠牲をともなっていた。ここではそんな駆逐艦のふたりの艦長にクローズアップし、関係者の証言を交えながら、彼らの戦争を振り返る。(文=手塚正己)
歴群シネマガイド
●映画で読み解くソ連・ロシアの戦争
どんな内容であろうと、各製作国の時代的・政治的な状況を反映せずにはおかない戦争映画。ここでは、ソ連・ロシアの戦争映画が、自国の戦争をどう捉えてきたかをたどる。(文=大久保義信)
■ カラー企画
カラードキュメント
CG彩色でよみがえる!
●レインボー・ギャング
空母の飛行甲板を彩る航空技能職集団
(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
●地形から読み解く 沼尻の戦い
後北条氏vs関東東方衆!
知られざる「北関東決戦」の謎に迫る
小牧・長久手の戦いと連動して押し寄せた後北条軍10万に対し、佐竹軍、宇都宮軍以下3万の関東東方衆が対峙した沼尻の戦い。なぜ兵力劣勢の関東東方衆は長期の持久に成功したのか? そもそも戦場はどこだったのか? 地形分析からこれらの謎に迫る!(文=坂井尚登)
現地取材レポート
●鳴門要塞・門崎砲台のドーム状遺構
瀬戸内海の防備のため明治期に築城された鳴門要塞。その砲台のひとつは、類例のない形状をしていた!(文=坂井尚登)
●神聖ローマ帝国とは何か
連載コミック「神聖ローマ帝国 三十年戦争」の舞台と時代背景を知るための講座
小誌連載コミック、宮下英樹「神聖ローマ帝国 三十年戦争」の舞台となっている十七世紀初頭の神聖ローマ帝国。そもそも神聖ローマ帝国とはどのような帝国なのか。誕生の経緯とその複雑な性格について解説する。(文=荒川佳夫)
■ インタビュー
インパール作戦コヒマ攻略に従軍した陸軍歩兵曹長
●佐藤哲雄
歩兵第五十八連隊に所属し、中国からビルマ戦線へと転戦した歩兵分隊長が語るコヒマ攻略戦。(文=久野 潤)
■ カラー連載
【戦国の城】関東に入った家康入城時の姿に迫る
●【武蔵】江戸城 (文・監修=西股総生・イラスト=香川元太郎)
【日の丸の轍】敵陣地突破に特化した工兵隊の特殊車両
●九六式装甲作業機 (文・監修=古峰文三・イラスト=上田 信)
【蒼空の記憶】ドイツ軍地上部隊が「黒死病」と呼んで恐れた重装甲の襲撃機
●イリューシンⅠl-2 シュトゥルモヴィーク
(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【迷宮歴史倶楽部】百年そびえる三つの塔
●針尾送信所④ (絵・文=モリナガ・ヨウ)
【戦士の食卓】第二次大戦中、豪華客船『クイーン・メリー』号で提供された
●ポーク・チョップ (文・料理・写真=水梨由佳)
■ COMIC 新連載 第7回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第七話〉獅子と鷲
■好評連載!
・日本100名城と武将たち 熊本城×飯田直景 (文=簑輪 諒)
・負けじ魂、これぞ船乗り (文=勝目純也)
・信長の独断 (文=大野信長)