No.185~186
歴史群像 No.187 2024年10月号
~~今号の内容~~
■ 第一特集
日米両軍の目論見が交錯したブーゲンヴィル島の攻防
●戦役検証 北部ソロモンの争奪
中部ソロモン撤退のあと、絶対国防圏の外郭と位置付けられた北部ソロモンとラバウル。その中で、この海域に執着し航空戦力を消耗する日本海軍。かたやラバウル孤立を目論むアメリカ軍は、少ない出血で北部ソロモンの戦闘を終結させようと試みる。(文=宮永忠将)
■ 第二特集
●ドイツ空軍の最終戦1945
ソ連空軍と対峙した第Ⅵ航空艦隊の死闘
1945年春、ベルリンへと迫るソ連軍に対して、首都防衛のため最後の戦いに挑んだドイツ空軍。本土防空戦とは異なる、もう一つの戦いとは?(文=古峰文三)
■ 第三特集
●伊達政宗の関ヶ原合戦
近世大名 伊達氏の基礎を築いた独眼竜の政戦略
慶長3年(1598)8月、太閤秀吉が薨去。豊臣政権では熾烈な権力闘争が勃発し、徳川家康と反徳川派の抗争はやがて全国規模の大乱へと発展する。陸奥岩出山60万9000石の領主となっていた伊達政宗も、自家の存続と本領回復をかけ、徳川方として上杉氏と戦う。関ヶ原合戦における政宗の動向と政戦略を最新研究から検証する。(文=水野伍貴)
■ 検証/ドキュメント
●乙未戦争
日本軍の台湾攻略戦1895
「日清戦争の延長戦」との位置づけで開始された日本軍の台湾攻略戦は、台湾住民の激しい抵抗に遭遇した。軍事作戦の経過を中心に、知られざる戦いに光を当てる。(文=山崎雅弘)
●日露戦争 連合艦隊 悪夢の六日間
八隻の艦艇はなぜ失われたのか?
日本海海戦で大勝利をおさめた連合艦隊。だが日露戦争緒戦で、連合艦隊はさまざまな理由によって、わずか6日間で水雷艇から戦艦まで8隻の艦艇を失った。大損害はなぜ生じたのか。その原因を検証する。(文=大井昌靖)
●フランス空母の戦後史
国威を賭け模索され続けた整備計画
第二次大戦後の国力・工業インフラ崩壊の中で空母部隊を立ち上げ、経済的制約や国産化圧力に耐えて有数の空母戦力を構築・維持したフランス海軍の歩みをたどる。(文=大塚好古)
最強の城を考える 特別編
●"非史実系天守"の軍事学
街のシンボルなどとして数多くの"非史実系天守"が造られてきた。しかし、なぜかその姿に違和感が感じられるものも少なくない。その違和感の正体とは? 軍事的視点を中心に考察するとともに、城を学ぶ上での"非史実系天守"の意義についても論じる。(文=西股総生)
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●ロシア戦役[第7回]
消えた冬営地
モスクワを放棄して退却を開始するナポレオン軍。しかし、物資の欠乏、ロシア軍の脅威、迫りくる“冬将軍”が彼らの行く手を阻む。これが、ナポレオン最大の敗走劇の序章であった。(文=佐藤俊之)
■ カラー企画
カラードキュメント
CG彩色でよみがえる!
●D-Day H-Hour
ノルマンディー上陸当日、5つの海岸の連合軍。
(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
歴群シネマガイド
●中東諸国の戦争映画
知られざる秀作の数々が紛争の現在を映し出す
イスラエルとハマスの激しい戦闘が続く中東地域。現在進行形の複雑な各国間の対立を背景にした彼の地の映画を通して見る"いまそこにある戦争"。(文=大久保義信)
■ カラー連載
【日の丸の轍】戦時下に誕生した省力化電気機関車
●戦時形機関車EF13
(文・監修=古峰文三・イラスト=上田 信)
【戦国の城】御館の乱で景勝方の拠点となった要衝の城
●越後 鳥坂城
(文・監修=西股総生・イラスト=香川元太郎)
【蒼空の記憶】新生ポーランド空軍を支えた雄々しき「ヘラジカ」
●PZL.37ウォシュ
(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【縦横無尽! 世界戦史】近代以前の戦争 その3
●神速の剣
(文・図・解説=有坂 純)
【戦士の食卓】イタリア海軍潜水艦『コマンダンテ・カッペリーニ』の乗組員を歓喜させた
●ニョッキ
(文・料理・写真=水梨由佳)
【迷宮歴史倶楽部】戦場の銀輪
●軍用人力二輪車発展史⑥
(絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC 新連載 第10回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第十三話〉新王戴冠式
■ 連載コラム
・日本100名城と武将たち 月山富田城×立原久綱(文=簑輪 諒)
・負けじ魂、これぞ船乗り(文=勝目純也)
・信長の独断(文=大野信長)
歴史群像 No.186 2024年8月号
~~今号の内容~~
■ 別冊付録 オールカラー80p
【復刻】WW2米軍マニュアル
●『制服と徽章』UNIFORMS AND INSIGNIA
(アメリカ陸軍情報部・同海軍情報部制作)
第二次大戦時、米軍が作成した各国軍の軍装をイラスト図解した識別マニュアルからドイツ・日本・イタリア軍のパートを復刻!
●付録解説 (解説=編集部)
■ 第一特集
●戦役検証 中部ソロモンの攻防
「日本海軍ガ島撤退後」の日米陸海軍の死闘
戦線後退を余儀なくされたガ島失陥後の日本軍と、陸海軍による二軸攻撃で波に乗るアメリカ軍。日本軍は時にアメリカ軍に打撃を与え、巧妙に転戦を成功させるも、回り始めた後退の歯車は止まらない…(文=宮永忠将)
■ 第二特集
●鎌倉幕府の滅亡
正成、高氏、義貞…… 得宗専制体制を瓦解させた後醍醐倒幕軍の激流
蒙古襲来後、幕府に対する御家人の不満が高まると、後醍醐天皇は天皇親政をめざして倒幕を企図し、楠木正成、赤松円心、足利高氏、新田義貞など、名だたる御家人たちが呼応して反北条の旗を揚げた。一五〇年目にして鎌倉幕府はいかに滅亡したのか?(文=遠藤明子)
■ 第三特集
●日本陸軍のロジスティクス【大正・昭和篇】
兵站思想における「二大主義」の確立とその限界
日露戦争などの経験を経て、大正・昭和期に兵站システムを発展させたはずであった日本陸軍は、なぜ太平洋戦争において兵站に失敗したのか。そこには大正期に採用された二つの考え方が大きく影響していた。兵站思想とその運用の変化、そして失敗へと至った本質を探る。(文=長南政義)
■ 検証/ドキュメント
●三八式歩兵銃
日本陸軍の象徴的兵器─その実像
幕末期の雑多な小銃群から短い期間で標準化を果たし、世界水準に達した日本陸軍小銃の軌跡と限界。(文=古峰文三)
●秋月種実
戦国期九州の政治情勢を動かした国衆
大友・島津・龍造寺氏の「三氏鼎立」というイメージのある戦国末期の九州。一国衆ながら、大友氏ら大勢力と互角に渡り合い九州北部に一大勢力を築いたのが秋月種実である。九州戦国史のキーパーソンの知られざる生涯を追う。(文=中村知裕)
●松前藩の幕末維新
激動の時代に呑まれた最北の小藩
蝦夷地に成立した松前藩は、蝦夷産物の交易を基盤とする独自の発展を遂げたが幕府の蝦夷地政策の変遷に揺さぶられ、戊辰戦争末期には戦いの渦に巻き込まれていくこととなった。(文=樋口晴彦)
●アフリカの第二次大戦
英・伊・日が攻防を繰り広げた知られざる戦い
ほとんどがヨーロッパの植民地となっていたアフリカ大陸。第二次大戦勃発を機にイタリアはイギリス植民地の併合を目的として侵攻を開始。一方、インド洋への日本軍の進出を恐れたイギリスは、仏領マダガスカルの制圧に乗り出した……。語られることの少ないアフリカの戦いに焦点を当てる。(文=山崎雅弘)
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●ロシア戦役[第6回]
モスクワの占領と撤退
ボロディノでの死闘の後、大きな損害をかかえたままナポレオン軍はモスクワに入城する。
しかし、すでにもぬけの殻となった市街で、彼らはただ無為の日々を送るほかなかった。(文=佐藤俊之)
■ インタビュー
●綱田芳昭
駆逐艦『浦波』電測員
十六歳で海軍に志願し、電測員として乗組んだ『浦波』艦上での対空戦闘とルソン島での陸上勤務を体験した二等兵曹が語る太平洋戦争末期、フィリピンの海と陸の戦い。(文=久野 潤)
■ カラー企画
●ユダヤ戦争
「民族離散」をもたらした反ローマ独立闘争
紀元66年、ローマ帝国支配下の属州ユダヤ。ユダヤ教信仰の中心であったエルサレムで反ローマ闘争が勃発。反乱の火の手は属州全体にまで拡大し、ローマ軍との激しい戦いに発展する。「民族離散」(ディアスポラ)をもたらすこととなった戦争を概観する。(文=荒川佳夫)
【歴史群像フォトギャラリー】東部戦線、ソ連収容所、そして戦後
●撃墜王エーリッヒ・ハルトマンの戦い
(文=時実雅信)
歴群シネマガイド
●イギリスの戦争映画
ユーモアとリアリズムが同居する"骨太"な作品群
かつての覇権国家、階級社会、しぶとい諧謔精神……イギリス市民社会の風土が生む、特有の"捻くれた"表現によって描き出される戦争の姿。(文=大久保義信)
■ カラー連載
【戦国の城】首里王府軍に落とされた名将・阿麻和利の居城
●琉球王国 勝連グスク
(文・監修=上里隆史・イラスト=香川元太郎)
【日の丸の轍】近代騎兵に攻撃力を与えた装甲車
●九二式重装甲車
(文・監修=古峰文三・イラスト=上田 信)
【蒼空の記憶】旅客機をベースに開発された哨戒爆撃機
●PV-1ヴェンチュラ
(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【縦横無尽! 世界戦史】われらが大隊は堅き砦
●近代以前の戦争 その2
(文・図・解説=有坂 純)
【戦士の食卓】再会を約束して…イギリスの伝統料理
●ステーキ・アンド・キドニー・パイ
(文・料理・写真=水梨由佳)
【迷宮歴史倶楽部】戦場の銀輪
●軍用人力二輪車発展史⑤
(絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC 新連載 第10回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第十二話〉出立の日
■ 連載コラム
・日本100名城と武将たち 広島城×毛利元清(文=簑輪 諒)
・負けじ魂、これぞ船乗り(文=勝目純也)
・信長の独断(文=大野信長)
歴史群像 No.185 2024年6月号
~~今号の内容~~
■ 第一特集
【日露戦争開戦120年】
史料と最新研究が明かす
●戦史分析 日本海海戦
精緻な計略と幸運が呼び寄せた勝利
極東までの回航を勇断するも、不運な状況に艦隊の足を引っ張られるロジェストヴェンスキー。迷いながらも敵来航の場所への確信を深める東郷。そして練りに練った戦策でその瞬間を待つ参謀たち…。日本海軍、計算づくの勝利はこうしてもたらされた!
「丁字戦法」とは結局こういうことだった!(文=長南政義)
■ 第二特集
●「機動戦」の 視点で読み解く第四次中東戦争
イスラエル軍は二正面同時攻撃に対しいかに反撃したか?
エジプト・シリア軍が連合する同時奇襲で始まった第四次中東戦争。シナイ半島とゴラン高原における二正面攻撃に対してイスラエル軍はどのように反撃して主動性を奪回したのか? その要因を「機動戦」の視点から解説する。(文=葛原和三)
■ 第三特集
●黒田長政
「猛」にして「智」! 父子「二頭体制」で乱世を生き抜く
秀吉の天下統一を支えた黒田官兵衛孝高(号して如水)。稀代の戦略家だった父と比べると、長政の知名度は低い。しかし勇猛さと智略はむしろ父以上で、関ヶ原合戦では、西軍に属した小早川秀秋や吉川広家を、渾身の交渉術で東軍に靡かせ、家康を次代の「天下人」へと押し上げた。(文=桐野作人)
新写真発見!
●改装前巡洋艦『古鷹』の各部詳細を見る
主砲塔、艦橋、飛行機滑走台、デリックに吊られた水上偵察機などの貴重写真を公開!(文=編集部)
■ 検証/ドキュメント
●東部戦線のイタリア軍
ロシアに送られたイタリア軍将兵の苦闘
ドイツ軍の快進撃を目の当たりにしたイタリアの統領ムッソリーニは、ヒトラーの側に立って参戦することを決定し、イタリア軍はソ連侵攻「バルバロッサ」作戦に参加した。故国から遠く離れたウクライナからロシアへ進み、兵器と物量に勝るソ連軍との戦いに投じられたイタリア軍将兵は、何を見たのか。(文=山崎雅弘)
●「寿」発動機
日本の空冷航空エンジンの礎を築いた名機
第一次世界大戦後、各国が軍用機の開発に邁進するなか、日本も航空機と航空エンジンの国産化を推進した。初の実用国産空冷星型エンジンとして誕生した「寿」発動機――。その進化は技術的困難との戦いであった。(文=古峰文三)
●丹羽長重
「豊臣の藩屏」から「徳川の北の守り」へ
織田重臣・丹羽長秀の嫡男として生まれ、若くして大国の主となった長重。豊臣政権下で幾度も減封の憂き目に遭いながらも失地を回復し、関ヶ原での改易を乗り越え、「徳川の北鎮」となった。二本松10万石の礎を築いた傑物の波乱の生涯とは──。(文=山上至人)
楽器とともに戦地を巡った陸軍部隊
●日本陸軍軍楽隊
軍隊の式典等で演奏活動を行う楽団・軍楽隊。創設以来、いくつもの戦場で将兵の士気を鼓舞し、あるいは慰め、また、日本の吹奏楽の揺籃ともなった日本陸軍軍楽隊の活躍をたどる。(文=大井昌靖)
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●ロシア戦役[第5回]
ボロディノの戦い(Part.2)
1812年9月7日、ボロディノ村を巡る大規模会戦がフランス軍の砲撃によって開始された。この日、両軍ともに大量の犠牲者を出しつつ行われた血みどろの闘いの動きを追う。(文=佐藤俊之)
■ インタビュー
航空技術将校として陸軍航空隊の『屠龍』で戦った
●梅田春雄
二式複座戦闘機『屠龍』搭乗員としてニューギニアへ赴いた新任少尉が見たのは、壮絶な戦場の現実であった。(文=戸津井康之)
■ カラー企画
カラードキュメント
CG彩色でよみがえる!
偉大なる凡作
●M4シャーマン中戦車
第二次世界大戦におけるアメリカ軍の主力戦車となったM4シャーマン。その開発・生産の経緯とバリエーション、そして連合国軍で使用された車両を彩色写真とともに解説する。(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
歴群シネマガイド
●フランスの戦争映画
"映画の祖国"にとってのヨーロッパの戦争
豊かな映画文化を育んできたフランスも、数々の戦争映画を送り出してきた。かつては多くの植民地を支配した軍事大国、という歴史を持つこの国が描く戦争とは?(文=大久保義信)
■ カラー連載
【戦国の城】天主、石垣…驚くべき先進性を持つ将軍義昭の城
●【山城】旧二条城
(文・監修=中西裕樹・イラスト=香川元太郎)
【日の丸の轍】天皇専用列車
●御召列車
(文・監修=古峰文三・イラスト=上田 信)
【蒼空の記憶】ソ連空軍近代化の象徴となった「大柄な老兵」
●ツポレフTB-3
(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【縦横無尽! 世界戦史】はじめに─青銅器時代から南北戦争への戦争の進化の道すじ
●近代以前の戦争 その1
(文・図・解説=有坂 純)
【戦士の食卓】ベルリン動物園爆撃、束の間の"恩恵"
●ワニ肉の鍋
(文・料理・写真=水梨由佳)
【迷宮歴史倶楽部】戦場の銀輪
●軍用人力二輪車発展史④
(絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC 新連載 第10回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第十一話〉皇帝選出会議
■ 連載コラム
・日本100名城と武将たち 小田原城×北条氏直(文=簑輪 諒)
・負けじ魂、これぞ船乗り(文=勝目純也)
・信長の独断(文=大野信長)