No.153 (2019年2月号)
No.153は1月5日発売予定です。
● ソ連側視点から緒戦の敗北と最終的勝利の理由を紐解く!(特集・2018年12月27日)
内憂外患の陸軍大国――、それがドイツによるバルバロッサ作戦という嵐に見舞われた1941年のソ連だった。戦車の導入と開発、量産。他国を圧倒する大兵力の編成と独自のドクトリンの構築で世界の陸軍をリードしながら、その一方で、スターリンによる大粛清による組織的な混乱の余波が内在するという状況の中で、ソ連はいかにして敗れ、そこから立ち直り、最終的な勝利を得ることができたのか。特集「用兵思想と機械化部隊はどこまで整備されていたか ソ連軍から見た「独ソ開戦」に至る道」は、ソ連側の視点からその戦争準備を分析し、開戦時に抱えていた多くの課題とその克服までを解説する。
● 連合軍上陸後に訪れたイタリア半島分断の危機とは?(戦史研究・2018年12月24日)
シチリア島陥落に続くイタリア本土への連合軍上陸。枢軸国としての戦争継続を断念したイタリアは、連合国へと鞍替えする。しかし、親独勢力はドイツの力を狩りつつ北部に共和国を建てて戦争継続の意思を明確に。ここに訪れたイタリア半島分断の危機は、どのような過程を経て終戦を迎えたのであろうか。戦史研究「ムッソリーニと国王&バドリオ 二つのイタリアと第二次大戦」では、国家分立の状況となったイタリアが歴史に刻んだ相克と戦後も続いたその影響を研究する。
● 叩き合いの戦場に放り込まれた騎兵機械化のホープ(日の丸の轍・2018年12月21日)
スポーツの世界では、体格や体重などで不公平が生じにくいように、階級が設けられているものがあります。例えばボクシング。フェザー級の選手がリングに上がってみたら、相手はミドル級だった
――なんていうのは余りに可哀そう。しかし、そんな状況に放り込まれてしまった戦車がありました。それが、カラー連載「日の丸の轍」で今回取り上げる九五式軽戦車です。騎兵の機械化を念頭に、快速・好打の機動戦車として産声を上げるはずだった九五式軽戦車が、なぜ「歩兵の火力支援」を主眼とする体系の中に組み込まれてしまったのか。小さな苦労人の誕生から終焉までを解説します。
● 24時間戦える「最高の防空部隊」の姿とは?(特集・2018年12月17日)
大戦末期、日本本土上空への侵入を企てる米軍機に対して、果敢に挑んだ海軍航空部隊の精鋭中の精鋭として知られる「第三〇二海軍航空隊」。装備機や搭乗員はもちろん、可能な限りの早期警戒と整備保守体制を整え、今も伝説のようにその精強さを伝えられる戦闘部隊はどのような経緯で誕生し、戦ったのか。特集「本土防空の切り札 海軍三〇二空決戦録」では、「海軍拠点の防空」という本来の任務の枠を超えて昼夜分かたず行われた三〇二空の激闘とその終焉までを総括します!
● 時代を先んじたソ連発のニューモード(蒼空の記憶・2018年12月10日)
戦闘機同士の空中戦が生起した第一次大戦。その激戦が終わっても、各国の戦闘機開発は歩みを止めることなく進められました。各国が性能向上を競う中、航空機の進化の中心であった西欧ではなく、遥か東のロシアの空に忽然と出現したのがポリカルポフI-16でした。低翼単葉で引き込み脚を備え、強力なエンジンによる高速を誇るI-16。赤い星の空の革命は、その後の航空機開発にどのような影響を与え、やがて訪れた新たな戦乱の時代の中でどう戦ったのか。「蒼空の記憶」は、I-16の生い立ちから戦いまでを鮮やかな彩色画ととも甦らせます。