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TOKYO銅像マップ

番外編5 異素材の人物像

徳川家康

徳川光圀

夏目漱石

 番外編の第5弾として、ブロンズ等の銅系金属素材以外の材質で作られた像も紹介していきます。
 今回は、2015年の年末に開催されたイベント「東京ミチテラス(未知を照らす、の意味)」で展示された人物像の中から歴史的偉人を選んで紹介します。「東京ミチテラス」は、「神戸ルミナリエ」の東京版として話題となった「東京ミレナリオ」に代わって開催されているイベントで、この一環として「Lighting Bench Art」と題され、丸の内中通りの有楽町一帯から大手町にかけてベンチに据えられる形で像が展示されています。像はFRP(繊維強化樹脂)でできており、歴史的人物以外にも芸能人や架空の人物も題材として選ばれています。
 「Bench Art=ベンチアート」とはアーティストが作品を展示する手法の一つで、像と一緒にベンチに座って記念写真を撮影するなど、参加者が像や人物に親しみを持ちやすく、造形作品を身近に感じることができることが特徴です。
 紹介する像はイベント開催期間の展示なので、現在は展示されていません。また「Lighting Bench Art」も毎年定例のイベントではないようなので(前回は2012年)、ご覧になりたい方はネットのイベント情報などをチェックしてみてください。ちなみに2012年の展示では、西郷隆盛や坂本龍馬、丸の内の街づくりにかかわった人物としてジョサイア・コンドルなども展示されました。

(写真をクリックすると説明もご覧になれます。ポップアップブロックを解除してください。)

徳川家康 (1545~1616)

 いわずと知れた戦国時代の最終勝利者です。詳しい人物紹介はこちらのページをご覧ください。
 肖像画でも知られる束帯姿の座像で、造形としては、肖像画のイメージよりも若干彫りが深い顔が印象的です。 時代劇で役者さんが演じている家康像に近いかもしれません。近いところでは、中村勘九郎主演の映画『真田十勇士』で松平健が演じた家康に雰囲気が似ています。
 2012年のイベントでも家康は展示されており、やはり東京(江戸)の繁栄の礎を築いた人物として存在感を示しているといえるでしょう。ちなみに写真ではストロボ発光で撮影したため明るめですが、赤銅色の落ち着いた色調で樹脂感は抑え気味になっていました。 
 

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徳川光圀(1628~1701)

 江戸時代初期の人物で、徳川家康の孫にあたります。光圀という名よりも、官位であった中納言(官位から徳川中納言、水戸中納言とも呼ばれます)の唐名である「黄門」の名のほうが有名でしょう。
 水戸徳川家の二代目藩主を務め、彰考館という学問所を設置して『大日本史』の編纂に着手。のちに水戸学と呼ばれる儒学の一流の基礎を作ったことでも知られます。
 諸国を漫遊したという俗説は、創作であり史実と異なることがわかっていますが、『大日本史』編纂の史料を集めるため、藩士を派遣したことが「漫遊」の俗説を生んだ理由になっているともいわれています(諸説あり)。ちなみにドラマ『水戸黄門』の中で密偵として登場する「風車の弥七」は、光圀が藩主の時代に領内で盗賊詮議の役割を担っていた実在の人物(元盗賊)がモデルといわれています。
 像は、「光圀」ではなく水戸黄門漫遊記のイメージで、ドラマでお馴染みの旅のご隠居様そのものの姿で造形されています。光圀の実際の人物像や残されている肖像画の姿を知らない方たちには、こちらの姿のほうが親近感を抱きやすいかもしれません。

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夏目漱石 (1867~1916)

 日本を代表する文学者の一人です。
 詳しい人物紹介はこちらのページをご覧ください。
 像は頭に手を添え、足を組んでいるという、広く知られているポーズで造形されています。写真などで知られる肖像のイメージよりも年若い印象を受けそうです。人物の模写というよりも、顔の皺などの表情の線が整理された、アニメのキャラのようなイメージでしょうか。
 銅像ではあまり見られない解釈、表現なので、樹脂像ならではの造形といえるかもしれません。






源 義家 新田義貞 川崎平右衛門