
雑誌『歴史群像』は、1992年6月に創刊されました。当時は「人物・戦い・事件」の検証がテーマの総合歴史雑誌でスタートしましたが、読者の人気の高い「戦い」を中心にした編集方針へとシフト。現在は「ミリタリー・戦史Magazine」に生まれ変わりました。
人類の歴史は戦争の歴史でもあり、そこには多くのドラマと学ぶべき教訓があります。これからも戦史をもとに、さらに興味ぶかい誌面づくりを目指します。
歴史群像
2023年4月号
(No.178)
3月6日発売!

定価:1,080円(税込)
~~今号の内容~~
■ 第一特集
●海上護衛戦
太平洋戦争において日本海軍はなぜ
シーレーン防衛に失敗したのか?
日本敗因の一つとされる米軍の通商破壊作戦。その戦いに日本海軍はどのように対応したのか。日本海軍の海上護衛の歴史と海上交通保護の失敗を、政策・組織・装備の面から徹底検証する。(文=長南政義)
■ 第二特集
毛利 vs 大友「三十年戦争」の幕開け
●関門海峡攻防戦
弘治三年(一五五七)、中国・九州七か国を支配した大内氏が滅亡。その遺領は名門・大友氏と新興勢力・毛利氏に二分され、両氏は関門海峡を挟んで熾烈な攻防戦を繰り広げた。海の視点も加えて、西国戦国史のターニングポイントを概観する。(文=山上至人)
■ 第三特集
戦間期ヨーロッパ海軍
●巡洋艦建造狂騒時代
条約下列強の静かなる戦い
戦間期、ワシントンとロンドンの二つの軍縮条約によりアメリカ・日本と牽制し合うイギリス。その隙間で速力重視艦建造に妍を競うフランス、イタリア。やがてドイツが再軍備を宣言すると、欧州・地中海ではそれぞれの思惑から、巡洋艦はさまざまな形態へと発展していく…。(文=宮永忠将)
■ 検証/ドキュメント
近代兵器製造史の断面
●日本兵器に部品互換性はあったか?
工業生産品精度についての一考察
現在はごく当然のことと認識されている同じ製品間の部品互換性。それは必ずしも近代工業と同時に生まれたのではなく、アメリカ軍需産業の生産管理下に育まれた高度な技術であった。そして日本にも伝わったその考えは、意外にもかなり早い時期から導入され根付いていく。(文=古峰文三)
会津藩の公安組織へと変質した新選組
●新選組と会津藩をめぐる情報戦
新選組は京都守護職会津侯の配下として、勤王攘夷の集団だったが、政局の変転で、尊攘派が次々と尊王討幕に転じていくと、それを阻止するべく情報活動に邁進した。(文=桐野作人)
●鳥羽伏見の戦い
幕府歩兵隊はなぜ敗れたのか
近代的な訓練を施され最新の装備も有していた幕府歩兵。鳥羽伏見の戦いにおいて薩長軍に敗北したのはなぜか。一連の戦闘から検証する。(文=樋口晴彦)
●オーストリアの第二次大戦
"合邦"を受け入れ、ドイツとして戦った国の知られざる歴史
オーストリアは「アンシュルス(合邦)」によってドイツの一部となり、前大戦に続いて再びヨーロッパを炎で包む戦争に加わった。語られることが少ない第二次大戦におけるオーストリアの足跡をたどる。(文=山崎雅弘)
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争Part 58 半島戦役の支作戦
●カタルーニャとバレンシア[後編]
半島東部でのフランス軍とスペイン・イギリス軍の戦闘は続く。1811年8月、ナポレオンはタラゴーナ攻略の功績によって、元帥となったスーシェにバレンシア占領を命じた。(文=佐藤俊之)
■ カラー企画
未公開写真発見!
●開戦間もない柱島泊地と就役直後の戦艦『大和』
(文=編集部)
集中連載(全4回)
●「最強の城」を考える
第1回 近世城郭の最強番付
最強の城はどの城か――。お城ファンの間で議論の尽きないこのテーマに、城郭・戦国史研究家の筆者が斬りこむ! 城の本質である「軍事」の視点から最強の城の条件を考える。まずは近世の城から始めよう――。(文・城郭写真=西股総生)
日本を追い詰めた
アメリカ海軍潜水艦の戦い
太平洋戦争で日本を敗戦に導いた真の立役者は、アメリカ海軍潜水艦であった。撃沈された日本商船の6割、日本海軍艦艇の3割の戦果を担っていたのだ。対日通商破壊作戦の推移を辿るとともに、主力となったバラオ級潜水艦の細部を検証する。(文・写真=神野秀雄)
■ インタビュー
『愛宕』沈没に居合わせた若き主砲伝令員
●金井藤夫
レイテ沖海戦で旗艦『愛宕』の最期を見届け、戦後の復員輸送にも携わった伝令員の記憶。(文=勝目純也)
■ カラー連載
【戦国の城】家康が今川氏真を完全包囲!
●【遠江】掛川城攻め付城群(文・監修=加藤理文・イラスト=香川元太郎)
【日の丸の轍】陸軍主導で誕生した軍用保護自働動車
●T.G.E.-L型トラック(文・監修=古峰文三・イラスト=上田 信)
【蒼空の記憶】英連邦で高い評価を得た雷撃機
●ブリストル・ボーフォート(写真彩色監修・文=白石 光・写真彩色=山下敦史)
【縦横無尽! 世界戦史】ウクライナ戦争を読む (その2)
●「特別軍事作戦」のモデリング(文・図・解説=有坂 純)
【戦士の食卓】日中戦争において南京へと向かう前線部隊で当番兵が部隊長に供した
●野菜の煮もの(文・料理・写真=水梨由佳)
【迷宮歴史倶楽部】百年そびえる三つの塔
●針尾送信所①(絵・文=モリナガ・ヨウ)
■ COMIC 新連載 第4回
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
第一章 冬の王 第四話 禁断の果実
■好評連載!
・日本100名城と武将たち 仙台城×伊達政宗(文=蓑輪 諒)
・負けじ魂、これぞ船乗り(文=勝目純也)
・信長の独断(文=大野信長)