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「城下町探訪」 水戸―藩主不在が当たり前の城下町

Ⅲ 町角情報

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水戸納豆  水戸藩ラーメン  吉原殿中

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水戸納豆

「水戸○○」の○○に当てる文字を問われたら、おそらくほぼ100%の人が「黄門」か「納豆」のどちらかを挙げるだろう。そんな、TV放映1200回超の人気時代劇『水戸黄門』と知名度で比肩するほどの「水戸納豆」。古文書にあった「江戸で好んで食べられる糸引き納豆」という記述に興味を持った笹沼清左衛門が、鹿島地方や那珂川流域で栽培されていた小粒大豆を用いて納豆の商品化を進め、明治22年(1889)に“天狗納豆”の商標で、水戸駅(水戸線)開業に合わせて駅前広場で販売したのが始まりとされる。以来、乗降客に評判となった水戸納豆は、明治29年には東京の上野―水戸間の鉄道開通・観梅列車の運行により東京への土産としても広まり、そして昭和に入って駅のホームでの販売が始まると不動の人気を誇る水戸名物としてブレイク。

(右)小粒でご飯にかけたとき、よくなじむのが水戸納豆の持ち味。“わらつと納豆(70g×5本=1束735円)”は、天狗納豆の一番人気。塩漬けした切り干し大根を納豆に混ぜ合わせ味つけした“そぼろ納豆(100g210円)”は当地の特産。

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水戸藩ラーメン

今や国民食と言って差し支えないであろうラーメンだが、それを日本で初めて食べたのが徳川光圀だったというのはもはや定説で、光圀に招聘された明の儒学者・朱舜水が伝えた中華麺を濫觴とするという。資料を基にそのレシピを再現したのが水戸藩ラーメンで、小麦粉とグーフン(レンコンの粉)を合わせて打った麺に、具にはチャーシューとシイタケ、薬味としてニラ、ラッキョウ、ネギ、ニンニク、ショウガの「五辛」をすべて混ぜて食するのが基本形。陰陽五行説に基づく薬膳料理といった趣である。市内数カ所で食べることができる水戸藩ラーメンは、その基本形にお店ごとの特徴が加味されているので、何軒かハシゴしてみるのも一興。

(左)中国料理 鈴龍の“水戸藩黄門ラーメン(890円)”は、特大チャーシュー2枚とシイタケに加え、チンゲンサイ、メンマ、クコの実、マツの実と具が充実、スープは濃厚ながら切れ味がいいのが特筆。

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吉原殿中

膨化させたモチ米(俗に言うポン菓子)に砂糖と水飴を絡めたものを芯に、きな粉をまぶしたものを外側にして円筒状に固めた水戸伝統のシンプルな菓子。斉昭に仕えていた吉原という奥女中が、食事のとき斉昭が農人形に供えた飯粒を干して蓄えておき、それを蒸し直し、きな粉をかけて差し上げたのがこの菓子の原型で、農民への感謝と質素・倹約を説く斉昭は大いに喜び、それを吉原殿中と名付けた、と伝わる。水戸人のスピリッツが凝縮された菓子といえる。

(右)現在、吉原殿中を製造する製菓店は水戸に8軒あるが、どこも材料は同じ。水戸市民に美味と評判な本屋製菓のご主人によると、柔らかくシットリしていて粘らない独特の食感に仕上げる手際よさで味に差がつくのだとか。9本入り525円。


マップ&水戸城データ    Ⅰ 城郭の見どころ    Ⅱ 町の見どころ①    Ⅱ 町の見どころ②