サイト内検索

「城下町探訪」 高知―幕末期に数多くの志士を輩出した南国土佐の城下町

Ⅱ 町の見どころ

土佐藩と山内家ゆかりの史跡   坂本龍馬と幕末ゆかりの史跡   その他の見どころ

※「Information」マークのついてる写真はクリックすると、詳細情報がご覧になれます。

土佐藩と山内家ゆかりの史跡

●旧山内家下屋敷長屋展示館

15代藩主・山内豊信(容堂)の別邸下屋敷のそばに建設された武家長屋。警護に就く武士たちが宿泊するための施設として建てられたものだ。2階建ての入母屋造りの長屋が当時のまま残されており、1階には当時の土佐藩士や庶民の生活を知ることができる家具や民具が展示されている。2階は土佐藩船「夕顔丸」などの和船模型が飾られている特別展示室だ。別邸下屋敷は明治になって山内家本邸として使用されていたが、戦後に売却されホテル三翠園になっている。この長屋と門のほか、西郷隆盛と容堂が会見した物見亭が現存する。

(左上)旧山内家下屋敷長屋展示館の門。
(左下)長屋展示館の外観。昭和54年2月3日に重要文化財の指定を受けた。

 
●土佐山内家宝物資料館(山内神社)

初代藩主・山内一豊から16代にわたって土佐藩を治めた、山内家に伝来する歴史資料・美術工芸品など約6万7000点を収蔵・展示する。展示は常設展と企画展で構成されており、常時、甲冑や古文書など100点余りが展示されて、約2ヶ月おきに展示内容を変更している。建物は山内神社に隣接しており、神社境内には「大政奉還を慶ぶ山内容堂公」の像がある。



(右上)山内神社
(右下)山内神社の社殿と向き合うようにして立つ「大政奉還を慶ぶ山内容堂」の像。酒と詩を愛し自ら「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」と称しただけあり、盃を持った珍しい銅像だ。



TOP    BACK

坂本龍馬と幕末ゆかりの史跡

2010年はNHK大河ドラマ「龍馬伝」が放映されることもあり、一段と注目を集めている高知の街。幕末に海援隊の隊長として活躍、薩長同盟や大政奉還に尽力した坂本龍馬をはじめ、武市瑞山、後藤象二郎、板垣退助など、近代日本への道をリードした人物たちゆかりの地が随所に残されている。どの場所も路面電車と徒歩で巡れる場所なので、ゆっくり龍馬を偲んで幕末散策を楽しんでみたい。

(上)路面電車

坂本龍馬
坂本龍馬(イラスト=藤生ゴオ)
 

●坂本龍馬誕生地の碑

高い台座の上に建てられた巨大な碑は、昭和43年(1968)に明治百年記念行事の一環として建てられたもの。石碑の文字は吉田茂の揮毫によるものだ。本家に高知でも指折りの商家であった才谷屋を持つ坂本家は郷士の家柄ながら裕福な家庭で、この付近から南の水道町までの広い敷地を所有していた。

 

●龍馬の生まれたまち記念館

坂本龍馬生誕地・才谷屋跡などがある、龍馬ゆかりの上町に建つ。館内では龍馬を生み育てた町の歴史と家族との繋がりを模型や映像などを使って紹介。龍馬の誕生から脱藩までの流れを、ジオラマやCGで手軽に知ることができる。観光ボランティアガイドによる館内の無料案内(要予約)もおすすめ。

 

●喫茶さいたにや

坂本家の本家である才谷屋の跡地に建つ喫茶店。龍馬の肖像画などが飾られたレトロな雰囲気の店は、龍馬ファンが必ず訪れるという人気のスポット。高知の坂本龍馬研究会の事務局でもあり、店内には龍馬関連の本や機関紙などの資料がところ狭しと並んでいる。

 

TOP    BACK

その他の見どころ

●坂本家墓所

龍馬の両親、兄・権平夫妻、姉の乙女、龍馬の後に坂本家を継いだ坂本直(高松太郎)の墓などがある。

●日根野道場跡

龍馬が14歳から19歳まで武芸の修行をした道場跡。ここで「小栗流和兵法事目録」を授けられている。この辺りは川の氾濫を守るために高い石垣で囲まれていたため築屋敷と呼ばれていた。

●近藤長次郎邸跡の碑

長次郎の生家は「大黒屋」という菓子屋で、幼い頃は饅頭売りを手伝ったりしていたため、龍馬から饅頭屋とも呼ばれた。家も近く少年時代から交流があり、神戸海軍操練所、亀山社中と常に龍馬と行動をともにした。



●板垣退助誕生之地碑

倒幕推進派の急先鋒であり、戊辰戦争では藩兵1000名を率いて東山道の先鋒を務めた板垣退助の生誕地。征韓論で下野した後は立志社を造り、自由民権運動を推進した。

●河田小龍塾跡

龍馬が海外へ目を向けるきっかけを作った河田小龍の塾があった場所。現在は水天宮の社が立っている。

●武市瑞山殉節之地碑

龍馬の幼い頃からの友人であり、土佐勤王党の盟主でもあった武市瑞山(半平太)。吉田東洋暗殺の罪で投獄され、この地で割腹した。

●後藤象二郎誕生之地碑

吉田東洋に学び、藩政に抜擢された後藤象二郎が、この地に生まれている。山内容堂の信頼を受け土佐勤王党と対立、武市瑞山などを投獄して弾圧するが、後に龍馬と接し、龍馬の意見を容堂に薦めて大政奉還を成すことに尽力する。


マップ&高知城データ    Ⅰ城郭の見どころ    Ⅲ坂本龍馬を訪ねて