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零式艦上戦闘機五二型 エンジン始動見学会

『栄』発動機を搭載する飛行可能な、
零式艦上戦闘機五二型!
その“心臓”の鼓動を聴く!

 日本の航空発祥100年を記念し、埼玉県所沢市の所沢航空発祥記念館で開催されているイベントの目玉として、2012年12月より2013年8月末までの予定で零式艦上戦闘機五二型(以下・零戦五二型)が来日中。同機は、アメリカの航空博物館「プレーンズ・オブ・フェイム」の所有機で、同博物館が第二次世界大戦中に米軍に鹵獲された機体を飛行可能な状態で維持している。里帰りした零戦のエンジン始動見学会の映像をお届け!
零戦五二型
 世界でも唯一無二の貴重な零戦五二型。故郷である日本には、復元機(二一型)やレプリカ、未修復の機体はあるものの、飛行可能なコンディションのオリジナル度の高い機体はありません。遠くアメリカの地で大切にされているのはありがたい限り。とはいえ、来日した五二型も戦後60年余りを経過して機体の経年劣化が進んでおり、今回の来日(実は3回目)では飛行展示は叶わず、エンジン始動とタクシング(4月1日にイベント会場内での短距離滑走)の展示となりました。どちらの展示も日程と見学参加人数が限られており、見学できなかった方のために、歴史群像本誌の編集スタッフによる撮影画像と収録音源をお届けします。
 ちなみに、本誌読者の皆様はご存知かと思いますが、零戦五二型について触れておきましょう。同機は、大戦初期に名を馳せた零戦二一型より続く改良型の一つであり、零戦の完成形といってもいい形式です(本誌117号『日の丸の翼』参照)。1000馬力級エンジン搭載の機体は、間近で見るとコンパクトな機体に多くの機能、機器を詰め込んだ凝縮感と共に、戦う力も備えた“海鷲”の風情も感じさせてくれます。エンジン始動で小刻みに振動する機体を見ると、今にも獲物を求めて飛び立ちそうな……などと想像(というか妄想)も膨らみます。

取材協力・所沢航空発祥記念館 

↑エンジン始動は米国人スタッフにより行われた。
  

↑始動には、本来の慣性駆動機構ではなく、内蔵のセルモーターを外部バッテリーで駆動する方法が用いられた。

↑『栄』発動機の回転数を上げた零戦五二型。軽やかさと力強さが混じった音を動画と音声データで確かめてほしい。

↑エンジン停止後、キャノピー(風防)を開けるスタッフ。開閉の様子は映画や記録映像等で知っていたものの、間近で見るのは新鮮。

零式艦上戦闘機五二型エンジン始動ムービー

零式艦上戦闘機五二型タキシングムービー

高音質音データ(映像なし-9分50秒)

高音質音データ(画像なし)