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ドイツの機関銃専用銃架 ラフェッテのすべて

ラフェッテは、強大な掃射能力を付加する多機能三脚です。
ラフェッテの組み立てから対空姿勢の手順などの基本的な操作をムービーで大紹介!!
掲載している映像は、2007年9月29日に発売された『【図説】ドイツ軍用銃パーフェクトバイブル』のスチール撮影の際、ビデオ撮影し、一部を編集したものです。
ラフェッテとは?

 ラフェッテは「銃架」を意味するドイツ語です。今回紹介するラフェッテ42は、日本語で言うと42型銃架。第2次大戦でドイツ軍が使用した汎用機関銃MG42用の三脚銃架で、同時代の他の機関銃用銃架と比べて、非常に興味深い機能を持っています。
 ところで、第2次大戦当時、機関銃には「軽機関銃」と「重機関銃」というような分類が存在しました。軽機関銃は重機関銃より軽量で、歩兵の進撃に随伴して戦闘を支援するのに向いています。一方、重機関銃は陣地等に据え付け、攻撃してくる敵歩兵を掃射するのに向いています。つまり2種類の機関銃が役割分担していた訳ですが、ドイツのMG34とその改良型のMG42は軽機関銃と重機関銃の役割を兼ねる高い汎用性を持っていました。その重機関銃への変身を手助けするのがラフェッテです。
 MG34、42は、本体に折り畳み式の二脚を持ち、その状態では主に軽機関銃として使用します。そして専用の銃架、つまりラフェッテに装着すると重機関銃的に使用することが可能になります。しかもラフェッテは、簡単に展開・折り畳みができ、軽機関銃ほど軽快ではありませんが、歩兵の進撃に随伴して「攻撃的に使用」することも可能でした。

連合国に恐れられた弾幕射撃

 ラフェッテにはラフェッテ34とラフェッテ42の二種類があり、それぞれMG34、MG42専用(機関銃取り付け部の交換でMG34用→MG42用への変更も可能)となっていますが、基本的な機能はほぼ同じでした。
 ラフェッテの最大の機能は、射撃時の反動を緩衝する機構と、これを利用して縦深方向に段階的(ラフェッテ42で0~6段階)に弾丸を振り撒く射角調整機能が組み込まれていることです。つまり、引き金を引くだけで広い範囲に弾丸が降り注ぐわけで、他の国の銃架には見られない独特な、かつ極めて合理的な機能でした。特にMG42(弾丸の発射速度が非常に高いことで有名)とラフェッテ42の組み合わせで行われる猛烈な弾幕射撃は、対戦した連合国兵士の恐怖の的となりました。
 今回は、ラフェッテ42の組み立て、光学照準器の取り付けと調整、という射撃準備を整えるまでの基本的な操作と、対空射撃姿勢の手順をムービーで紹介します。また、機関銃で使用する弾薬をベルト・リンク(弾薬を数珠繋ぎにする金属の帯)に装弾するための装弾機、グルトフュレル34の操作も紹介します。
 なお、小社刊『ドイツ軍用銃パーフェクト・バイブル』では、ラフェッテ42のほか、グルトフュレル34の改良型であるグルトフュレル41など各種の銃器アクセサリー、そして世界の銃器開発に多大な影響を与えた銃や開発者のエピソード、歴史を網羅しています。ぜひご一読ください。


オープニング映像提供=RZM Imports, Inc.(www.rzm.com
Video clip used with permission from RZM Imports, Inc.

①ラフェッテの組み立て~調整
 

②光学照準器の装着~
調整・装弾

③対空姿勢の手順
 

④グルトフェレル34(装弾機)
の操作