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戦国に生きた人物と近現代のヒーローを比較検討し、新たな価値観を構築する暴走コラム!

武田二十四将 激似戦国武将論 信長の独断 クラシックス・プラス

【その2】 

武田二十四将とモーニング娘。 

モーニング娘。

モーニング娘。もーにんぐむすめ

1997(結成)~ 女性アイドルグループ

 テレビ東京の番組公開オーディションによって結成されたグループで老若男女を問わず人気がある国民的アイドル(たぶん)。メンバーの脱退と新規加入が度々あり、都合4人が脱退し11人が加入している(2002年時点)。安倍なつみ、飯田圭織、石川梨華、小川麻琴、加護亜依、後藤真希、紺野あさ美、高橋愛、辻希美、新垣里沙、矢口真里、保田圭、吉澤ひとみ(50音順)の13人が現在のメンバー。全員をスラスラと言えると、何となく自分を誉めてあげたくはなりませんでしょうか。

武田二十四将 たけだにじゅうよんしょう

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 甲斐武田信玄の家臣のうち、重臣をはじめとして同家に貢献した歴代武将24人をピックアップして俗にこう呼ぶ。山本勘介、一条信竜、原昌胤、真田信綱、小幡虎盛、横田高松、土屋昌次、多田満頼、小山田信茂、三枝守友、飯富虎昌、甘利虎泰、武田信廉、武田信繁、小幡昌盛、原虎胤、内藤昌豊、真田幸隆、高坂昌信、山県昌景、馬場信春、秋山信友、穴山信君、板垣信方ら(順不同)を指す場合が多い。但し全ての武将が同時代に存在した訳ではない。

雷原を目隠しで走る気分である。双方のファンから非難の嵐が起こることが目に見えているからだ。でもね?「腫れ物は潰してしまえ」がワタクシの持論なので、覚悟を決めて行ってみましょー! とりあえずモー娘。ファンの皆様、CD買ったんだから許しなさい。
 俗に言う「武田二十四将」なるグループが後世の創作に過ぎないってことは、この世界じゃ有名。江戸時代に甲州流軍学が盛んになった絡みで生まれたもので、イニシエの武田家臣団から語呂良く二十四人を選び、軸に描かせて武士の範とすべく飾りたてたものだ。歴史的に統一見解があるわけではないから、当然構成メンバーには差異がある。さらに面倒なことに、末席の辺りにさり気なく自分と血縁のある武将を入れる輩もあって、正確には二十四将と呼ばれる武将が何人いるか定かでない。
 「二十四将」は憧れの集団であり、ここに名を列ねる事は誉れだったのだ。人気は今も根強く、例えば戦国物のシミュレーションゲームでも二十四将の能力はべらぼうに高い。海外のドイツにすら、各々家族を巻き込み馬場・山県らになりきっている崇拝者の集団が存在する程である。…コレは笑かすぞ。
 さて、アイドルなんか興味ねぇよ!という俺みたいな硬派な日本男児の為に解説すると、「モーニング娘。」というアイドルグループは全員がオーディションで選出されていた…ような気がする。言わば戦国的な実力主義がタテマエである。別に討死する訳ではないのだが、メンバーがころころ変わってゆく。脱退と新規加入が繰り返され、この原稿を書いている時点(2002年2月)では13人構成。いつ誰が抜けちゃうかは多分プロデューサーのつんく♂のみが知るところ。
おかげで日本中の少女達が「次こそ私が加入する!」と息巻く始末。「歌手になりたい」「アイドルになりたい」が普遍的な少女の夢だとしても、「どこどこの一員になりたい」と言われるステイタスを持つグループはかつて無かったんじゃないだろーか? 特異な存在なのである。
 彼ら彼女らはそんなにも優れているのか? 勇気を振り絞って言う。 否 !……あ、ごめん、否……じゃないかな(汗)? 武将本来の能力、アイドル本来の魅力を個別に見た時、ライバル達と比較してそれほど突出しているとは思えない。だが彼ら彼女らは「一括り」という武器を持っている。
 例えば織田家。二十四将ほど有名ではないが、実はここにも「八角将」「十二爪将」といった後世の括りがある。「十二爪将のひとり、下方貞清!」と言われれば、シモカタサダキヨが誰だか解らなくても何やら凄そうな説得力が生じはしまいか。括られた事で括り内のバリューは平等になる。実際に大きな実力差があったとしても…ていうかあるんだけど、下方の地位は同じ十二爪将のトップに置かれた九鬼嘉隆まで底上げされる。遂には嘉隆が十二人いるような錯覚を築くのである。
 後は各々が微妙にカブってるんだかカブってないんだか解らないキャラをそれなりに立たせてゆけば、その分個性が際立つとゆー寸法。欠点を補完し合い、長所を際立たせる、「括る」事にはそういう利点がある。業界では常識の裏ワザなのだ。
 ……すいません最後のは単なる想像です。
 ……何だよぅ ! ブーイングかよぅ ! でも大歓迎だぜ ! オレは「ブーイングオヤジ。」を目指すんだもんね !
 ……駄ジャレオチかよ!? 駄ジャレオチだよ!!

【その2】初出/歴史群像vol.52(2002年4月号)

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