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日本の歴史を牽引してきた~鉄道遺構を訪ねる

「信越本線・碓氷線」横川駅~峠の湯②

●横川駅 ●横川駅から峠の湯へ(アプトの道)
●碓氷峠鉄道文化むら ●旧丸山変電所

横川駅から峠の湯へ

 「アプトの道」はアプト式列車の走っていた旧路線を遊歩道として整備したウォーキングトレイル。横川駅をスタートして碓氷第3橋梁(通称めがね橋)まで続いている。横川駅からめがね橋までは約4.3km、途中の碓氷湖散策(一周約1.2km)を加えれば往復約10kmのルートだ。第1回は中間地点の峠の湯までをご紹介。
 トレイルとなっている碓氷線の勾配は最高66.7パーミル(1000m進んで66.7m高度を上げる勾配)だ。見た目には緩やかな勾配だが、ひたすら上り続けることになる。また旧丸山変電所までは、線路と並行して歩く単調な直線ルートなので、体力に自信のない方は、峠の湯までトロッコ列車を利用するのもいいだろう。(トロッコ列車の料金は、鉄道文化むらのインフォメーション参照)

(以下の写真の説明は、写真をクリックするとご覧になれます)

 

旧アプト式線路と新線の分岐点。これより先の線路は再運行計画もあるため立ち入り禁止。左へ進みトロッコ列車の線路をガードでくぐれば峠の湯。ここが2度目の休憩ポイント。周囲には小公園があるほか、レストランや天然温泉の日帰り入浴施設がある。トレイルを歩いた帰りにひと風呂浴びるのも悪くない。露天風呂からの眺望も抜群だ。

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旧丸山変電所

↑建設当時の蓄電池室内部。左下は蓄電池(バッテリー)。

↑レンガ造りの建物が並ぶ旧丸山変電所。


↑東京駅などとは異なり機能性優先のレンガ建築だが、正面玄関周りは装飾的デザインが施されている。

↑変電所跡には同じレンガ造りの建物が2棟並んで建つ。こちらは蓄電池室となっていた横川側の建物。


 横川~軽井沢間の電化工事が着手されたのは1910年(明治43)。翌1911年には横川火力発電所、丸山変電所などが建てられ、1912年(明治45)から電車が運行するようになった。レンガ造りの建物は2棟あり、横川側の建物が蓄電池室で列車が上り勾配にかかる時に必要な電力を補うためのバッテリー312個が整然と並んでいた。軽井沢側の建物は機械室で発電所から送られてきた電気の電圧を変える変圧器と交流電流を直流に変える回転交流機が置かれていた。ここは長らく廃墟のようになっていたが、2002年に保存修復工事が完了して当時の美しい姿を見せている。