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千年の時を刻む出羽の古道 「六十里越街道」

【第1回】出羽三山の奥宮、湯殿山へ




湯殿山を訪れる前に
ちょっと出羽三山のミニ知識

 出羽三山と総称される月山、羽黒山、湯殿山。開山はともに約1,400年の昔、第32代崇峻天皇の第一皇子・蜂子皇子によると伝えられる。元々は、高い山に神霊が鎮まるとする山岳信仰、自然崇拝を淵源とする原始的な神道の霊山として崇められてきた。平安初期以降は天台宗、真言宗の密教を始めとする仏教や道教などの外来宗教が、ここ東北の地にも広まり、日本古来の神様は、仏様(本地)が人々の救いのために現れた姿(垂迹)であると考える本地垂迹説に基づく神仏習合の時代を迎えた。以来、山岳修験の霊山として人々の崇敬を集め、平安時代の末には、羽黒山で現世の利益を願い、月山で来世を体験し、湯殿山で再び新しい生命を授かって、この世に再生することを祈念する三山回峰参詣が行われるようになっていった。
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湯殿山神社


※ 残念ながら、「語るなかれ」「聞くなかれ」の戒めに従い、湯殿山神社本宮の詳細については、お見せすることもお伝えすることもできません。ぜひご自身で参拝して感動を体験してください。

「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」松尾芭蕉
 湯殿山の中腹、梵字川の峡谷に鎮座する本宮には社殿がなく、頭頂から御神湯と呼ばれる熱湯の湧き出す茶褐色の巨岩が御神体として祀られている。参詣者は御祓場で素足になって御祓いを受けた後、直接その御神体を拝み、また触れることもできる。古来より「語るなかれ」「聞くなかれ」と戒められた、出羽三山のなかでも特別に神秘的な山である。
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湯殿山ホテル
このホテルまたは、湯殿山参籠所が参拝者のベースとなる宿

長寿水
ホテル前には湯殿山の天然水が

ホテルから参籠所までは徒歩かバスで。ホテル裏手から参籠まで山道が続く

湯殿山神社へと続く山道


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大鳥居、湯殿山参籠所

 深山に穿たれた深い沢に偉容を誇る、高さ18mの鮮やかな赤い大鳥居。脇に建つ参籠所は、参詣者の食事、宿泊のための施設。本宮までの参道途中に鎮座する丹生水上神社から湧出する丹生鉱泉を引いた御神湯に一般客でも入湯することができる(入湯のみは400円)







仙人沢の行人塚
湯殿山で三千日とも五千日ともいわれる厳しい山籠もりの修行を行った行者が、ここを入定の場とした。現在、庄内地方には6体の即身仏がある

仙人沢から本宮入口までは専用参拝バスか徒歩で上る。バスなら約5分ほど

本宮入口のバス停にあるトイレ

本宮へと続く参道。ここから御祓所までは徒歩5分ほど

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御祓所の人形(ひとがた)

 御神体に参拝する前に、参拝者は御祓所で素足になり御祓いを受けなければならない。この小さな紙でできた人形(ひとがた)で体をなでて我が身の汚れを人形に移し、最後に息を吹きかけ渓流に流す。清浄神秘な湯殿山ならではの参拝作法だ。


*神秘のベールに包まれた湯殿山の様子。ライターとしてぜひ詳細に伝えたい、けれど語ってはいけないという戒めに挟まれたジレンマ。どうぞご理解ください。でも、たとえ話す人がいても、聞くことも許されないので、これは自分で行くしかない。



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