サイト内検索

機動戦士ガンダム 一年戦争全史 U.C.0079-0080〈上〉〈下〉 模型作品解説

山岳地帯で待ち伏せするザク

製作・文/徳富厚雄   使用キット/バンダイ パーフェクトグレード MS-06Fザク II/MS-06Sザク II

1/60パーフェクトグレード・ザクを使用して、地上で待ち伏せ(伏撃)任務を遂行中の公国軍MS部隊を再現。普段はTVやCM撮影用のモデルを手がける徳富厚雄氏の持ち味が発揮された豪快な作品となった。
 『一年戦争全史』の特撮用ジオラマ製作を担当しましたTOKUTOMIと申します。以後よろしくお願いいたします。
ザク本体の製作
 『一年戦争全史』上巻に掲載の、ザク2機による待ち伏せのシーン再現のために使用したキットはバンダイ1/60のPGザク II 2体。これはサイズが大きいのに加え、とにかくパーツがものすごく多いキットなので、まず各ランナーにテープを貼り、それにパーツ番号を明記することから作業開始しました。こうすることでパーツを探す時間が大幅に短縮されます。
 今回は特撮用ジオラマとしての見せ方が主体なので、キット本体はストレートに組み上げています。いったん形になったところで、先に描いたスケッチを元にポーズを決定し、関節部分に瞬間接着剤を流し込み固定します。キット本来の精巧な可動部分がこれでほとんど「なし」になってしまいますが、特撮用のモデルということで、こんな大胆なこともやっています。
 ザク・バズーカと腰に付けたクラッカーはPGザクのオプションとして発売されている「ザクII カスタムセット♯1」を探してきて使用しましたが、これは現在は店頭在庫のみのようなので、入手は難しいかもしれません。
 各関節部分に編集部から指示のあった防塵カバー(エポキシパテを使用)を付けて、ザクそのものは完成となりますが、パーツ数の多さもあって1体で約10日くらいかかってしまいました。
 基本塗装はGSIクレオスの「ガンダムカラー」の量産型ザク(ザクII)用セットを使用。ウェザリングはエナメル塗料で、ハゲチョロは控えめにしてスジ汚れ(ホコリが流れた雰囲気)をメインに行なっています。
 本体各部にかけたカモフラージュネットはバーリンデンプロダクツ製のものをリペイントして使用しました。
ジオラマベース
 今回の作品が通常のジオラマと異なる点は撮影用であるということ。すなわちカメラの画角を考慮して製作しないと画が切れてしまうわけです。
 この理由から、背景の岩肌はベースと別パーツとし、撮影アングルしだいで調整できるようにしています。また、ミニチュアセットを撮影する場合のレンズは画角の広いワイド系を使用することが多いので、ベースサイズは600×600ミリと余裕をもった大きさとしました。
 ベース本体の素材はスタイロフォームを使用し、ザクが接地する部分を彫り込み地表は園芸用の赤玉土を砕いて木工ボンドで定着させます。土の定着方法はお湯で溶いた木工ボンドを霧吹きで吹き付けるだけです。1日くらいそのままにしておけば固まります。
 山岳地帯っぽい植栽に関しては、茂みなどは鉄道模型用のパーツで、立木はドライフラワーやヒムロ杉(特撮セット製作の定番)で再現し、味付けに乾燥パセリを振りかけて完成となります。