
雑誌『歴史群像』は、1992年6月に創刊されました。当時は「人物・戦い・事件」の検証がテーマの総合歴史雑誌でスタートしましたが、読者の人気の高い「戦い」を中心にした編集方針へとシフト。現在は「ミリタリー・戦史Magazine」に生まれ変わりました。
人類の歴史は戦争の歴史でもあり、そこには多くのドラマと学ぶべき教訓があります。これからも戦史をもとに、さらに興味ぶかい誌面づくりを目指します。
~~今号の内容~~
■ 第一特集
●扶桑型・伊勢型戦艦
欧米建艦競争への「日本の回答」
列強と同格の超ド級戦艦として、設計から建造まで純国産化に成功。不具合多発に泣くも次なる戦艦建造の礎となり、雄々しく戦闘に散った四艦の足跡を顧みる。
■ 第二特集
●イギリス空軍 爆撃機コマンドの戦い
ドイツ本土夜間爆撃の実態と限界
夜間による都市爆撃の研究を進めたイギリス空軍爆撃機コマンドはその思想に沿った爆撃機開発を行い、ドイツとの戦いに臨んだ。夜間都市爆撃の思想とはどのようにして生まれ実行されていったのか。その経緯を紐解く。
■ 第三特集
毛利vs.大友
●永禄九州争乱 立花の陣
弘治三年(一五五七)の大内氏の滅亡後、名門・大友氏と新興勢力の毛利氏は関門海峡を挟んで熾烈な攻防を繰り広げ、永禄七年(一五六四)に豊芸和睦が結ばれる。しかし、両氏の思惑や豊筑の国衆たちの蠢動で和平は破綻し、再び大規模な争乱へと発展していく。西国を代表する二大勢力の直接対決となった知られざる一大戦役の様相を概観する。
■ 検証/ドキュメント
【戦史から「南西諸島有事」を考える】
●フォークランド戦争
英国の電撃的離島奪回作戦-その勝因と教訓
英軍はなぜ、アルゼンチン軍に制圧された離島を短期間で奪回できたのか? フォークランド戦争における英軍の戦い方と勝因から、危惧されている「南西諸島有事」に備え、何を学ぶべきかを考察する。
●ガザの戦い1917
第一次大戦とパレスチナ問題の起源
第一次世界大戦における中近東戦線。イギリスはオスマン勢力を駆逐しながら東進、ガザにおいて中東支配への足掛かりを得た。しかし、それはその後100年以上にわたり今日にまで及ぶ憎しみと衝突の原点ともなったのである。
●北越戦争の帰趨を決した官軍の新潟上陸作戦
戊辰戦争において越後で繰り広げられた北越戦争では 長岡城の争奪など官軍と同盟軍の間で激戦が展開された。同盟軍の粘り強い戦いに苦戦した官軍は新潟への上陸作戦を決行した。
[連載]西洋戦史研究 ナポレオン戦争
●1813年ドイツ戦役[第1回]
ロシア戦役の終わりと新たな戦いの始まり
ナポレオンのロシア遠征は終わりを迎え、フランス軍は敗退した。そして情勢は変化し、フランスへの屈従を余儀なくされていたプロイセンが、ロシアと手を組む動きを見せ始める。舞台をドイツに移し、ヨーロッパの戦いは続く。
歴群シネマガイド
●戦争映画のなかの〈戦車〉
いかにして映画は戦車の迫力を表現してきたのか?
国や地域別に戦争映画をセレクトしてご紹介してきた本連載。今号から趣を変え、兵器などテーマ別に古今の秀作を取り上げる。まずは戦争映画の象徴たる「戦車」に注目してみたい。
■ インタビュー
沖縄戦で戦った海軍航空隊整備員
●三枝利夫
海軍に志願し、南西諸島海軍航空隊へ配属。米軍上陸後に陸戦隊員として戦った航空機整備員が語る沖縄戦の記憶。
■ カラー企画
●【追悼鼎談】香川元太郎さんが遺したもの
――復元イラスト、超絶技巧、人柄、思い出
カラードキュメント
CG彩色でよみがえる!
●レマーゲン鉄橋の攻防
偶然と幸運が連合軍に齎した「ドイツへの入り口」
●支援戦車から主力戦車へ
現存車両で見るドイツ軍Ⅳ号戦車
ドイツ陸軍の支援戦車として誕生したⅣ号戦車は、戦局の変化に従って長砲身・重装甲化がなされ、やがて主力戦車の座につく。多くの派生車両の元ともなり、大戦全期間を通じて戦ったⅣ号戦車のバリエーションを、現存車両のカラー写真で見ていく。
歴史群像フォトギャラリー
●シンガポールで終戦を迎えた重巡『妙高』と『高雄』
●無限軌道走行装置を知る
②サスペンションと下部転輪
戦車等における「無限軌道」のメカニズム解説の後編となる今回は、無限軌道を走行させるための必需品的装備である下部転輪とそれを支えるサスペンションの概論となる。
■ カラー連載
【蒼空の記憶】太平洋戦争緒戦のアメリカ海軍を支えた艦上攻撃機
●TBD デヴァステイター
【日の丸の轍】戦後復興にも活躍した砲兵牽引車
●九八式六瓲牽引車
【縦横無尽! 世界戦史】近代以前の戦争 その7
●戦術の誕生
【戦士の食卓】軽巡洋艦『モンペリエ』で提供された故郷の味
●ピーナッツバター
■ COMIC
●神聖ローマ帝国 三十年戦争(宮下英樹)
[第一章]冬の王〈第十六話〉不可侵条約
■ 連載コラム
・日本100名城と武将たち 武田氏館×武田信虎
・負けじ魂、これぞ船乗り