■著者/上原光晴
■ISBN/4-05-404804-8
■四六判・420ページ
かつて自ら進んで国に殉じた若者たちがいた……。自分たちが礎となり犠牲となって日本を救おうと考えた若者たちが……。
真珠湾に奇襲を敢行した決死必中兵器「甲標的」に端を発して、ついには必死必中兵器「回天」に至った帝国海軍の特攻兵器。
丹念な取材、広範な聞き取り調査、徹底した史料の精査で“真実”に迫る、二度と書き得ぬ「回天戦記」の決定版!
■本書の内容(目次より)
序章原案をつくる五人の少・中尉
第一章:黒糸縅の若武者たち
第二章:潜水艦戦の敗北まで
第三章:甲標的から人間魚雷へ
第四章:先陣を切る菊水隊、続く金剛隊
第五章:光基地を中心に部隊編成
第六章:魚雷併用の洋上攻撃へ
終章:大津島をわたる風
優れた素質に恵まれ、洋々たる前途が開けていた若者たちによる、回天や神風といった悲劇を二度と起こしてはならない。平和への熱い願いをここに確認するとともに、なぜ戦争に立ち至ったか、戦争を起こさないためにはどうすればよいか、回天戦記を土台にして考えていただければ幸いである。――著者あとがきより――
■著者/平塚柾緒
■ISBN/4-05-404672-X
■A6判 392ページ
太平洋戦争島嶼戦における最大の激戦と言われ、日本軍の玉砕覚悟の抵抗により精強な米海兵隊をも恐怖させたペリリューの戦い。その激戦の島で戦後まで生き延びた34人の将兵がいた。生還者たちが語る貴重な証言を織り交ぜながら綴る、ペリリュー戦の真実。
■本書の内容(目次より)
【序章】五〇年目の玉砕地
激戦の島へ/船中の邂逅/五〇年目の再会/捕らわれた藤井少尉
【第1章】死出の旅
絶対国防圏/関東軍の精鋭、太平洋戦線へ/混乱する師団の転用先/米潜水艦に狙われる輸送船団/最期の地ペリリュー島へ/炎暑の中の地下洞窟陣地造り/サイパン守備隊の玉砕/陸軍に編入された海軍部隊/米軍特殊工作部隊
【第2章】オレンジビーチの死闘
詳細に立てられた反撃計画/米軍の砲爆撃に耐える洞窟陣地/米第一陣を迎え撃つ日本軍/米軍第一陣を撃退した西地区隊/米軍、橋頭堡を築く/実行された第一号反撃計画/千明大隊長の戦死/大隊長の相次ぐ戦死/敵の包囲網の中で出た撤退命令/夜襲の肉弾斬り込み/損耗大きい米第一海兵師団/たった一人になった第七中隊員/ペリリュー脱出をはかった工兵隊/二八年目の工兵隊壕/集団投降した朝鮮人軍属
【第3章】敵前逆上陸
大本営を喜ばせたペリリュー地区隊/北地区隊の水戸山の攻防/連隊長の熱望で決定された増援派遣/軍事極秘『逆上陸戦闘詳報』/五〇パーセントの損害を出した逆上陸作戦/愛児の遺骨を抱いて決死の海中伝令/増援要請の米軍と北地区隊の死闘/最後の日本兵「芸者・久松」の戦死
【第4章】玉砕
中央山岳部に追いつめられた日本軍/暗号電文に見る戦闘報告/負傷者で充満の海軍壕/米軍の占領エリアに潜む日本兵/探し当てた「死闘の井戸」/一斉斬り込みを禁じられた地区隊/暗号電「サクラ、サクラ」
【第5章】敗残の洞窟生活
「海軍壕」ではじまった敗残生活/無事生還した「洞窟の幽霊」/米軍の残敵掃討戦で数を減らす日本兵/グループに分かれて潜伏生活/再武装の「糧ハ敵ニ拠ル」/軍属と兵士グループの出会い/米兵と一緒に映画鑑賞/男たちはいかに欲望を処理していたか/洞窟生活を支えた娯楽メニュー
【第6章】奇跡の投降
米兵との銃撃戦で潜伏がバレる!/降伏勧告にやってきた日本の海軍少将/投降か潜伏続行か、ゆれる兵士たち/敗戦を信じ、単身脱走した土田上等兵/「土田捕虜」で、戦闘態勢を固めた日本兵/家族が書いた必死の手紙/「直ちに戦意を捨てゝ米軍の許に到るべし」/三四人の命を救った肉親の手紙
【終章】祖国
投降して知った「鬼畜米英」の素顔/米軍からの支給品を詐取された生還兵たち/再会を果たした生還者たちの戦後
●著者紹介
1937年、茨城県生まれ。出版社勤務を経て編集プロダクション㈱文殊社を主催。主な著著に『生きている陸軍刑法・敵前逃亡』『グアムの戦い』『日本の戦歴 日露戦争』など多数。太平洋戦争研究会会員。
■編者/ハロルド・C・ドィッチュ・デニス・E・ショウォルター
■訳者/守屋 純[訳] (原題『WHAT IF?』)
■ISBN/4-05-401490-9
ヨーロッパ戦線、太平洋戦争、海戦、航空戦、そして暗号戦まで……。第二次大戦の様々な「決定的瞬間」において、史実とは異なる選択肢が採られていたら歴史はどう変わっていたのか?
19名におよぶ戦史、歴史の世界的専門家たちが第二次大戦の「もしも」に挑む、まったく新しい戦史検証。
■ 主な内容
・ヒトラーが1939年に暗殺されていたら
・ドイツ軍がダンケルク前面で停止しなかったら
・1941年12月7日、日本海軍が真珠湾へ第二撃を放っていたら
・マッカーサーがコレヒドールに留まっていたら
・1945年4月、連合軍がベルリンに進撃していたら
・原爆がなかったら、あるいはまったく使用されなかったら
・日本が戦前に、まったく別の戦略と建艦計画を採用していたら
・いつ、そしてどうやってヒトラーは戦争に勝てたか?
……その他全60テーマ収録
■ 編者プロフィール
ハロルド・C・ドィッチュ
ミネソタ大学(1929~1972年)の他、国立防衛大学(1972~1974年)、陸軍大学(1974~1985年)の歴史学教授を歴任する。第二次世界大戦史とドイツ史の専門家。
1995年没。
デニス・E・ショウォルター
コロラド大学で助教授・教授として勤務する他、陸軍士官学校、陸軍大学などで客員教授として教鞭を執る。軍事史学会会長を始め、軍事史関係機関のアドヴァイザーや刊行物の編集委員など多方面で活躍中。