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本田宗一郎さんの伝記を読んだコト、ありますでしょうか?

裸一貫から一代で急成長した、戦後唯一無二のジャパン・ドリーム。
夢を現実するバイタリティー。
ざっくばらんで人間臭くて、人を虜にする(巻き込む)引力の強さ。
どれをとっても、「秀吉はこのヒト以外にはいない」
…って思ったものです(←過去形)。

このコラムで取り上げる時も、本田さんになるんだろうな
…と思っていました(←やっぱり過去形)。

ただね、ソレじゃ当たり前すぎるでしょ?
まぁそんなこんなでこのコラムでは「秀吉とアレ」
になったワケなんですけど…(未アップなので一応ヒミツ)

秀吉=本田さんの原稿をためらったのには、
実はもうひとつ理由があって
秀吉って前半生と晩年では、評価がまったく違ってくるでしょ?
ソレって要するに、引き際の差。

秀吉は「肉親の後継者」に固執するあまり、晩節を汚したけれど
本田さんは実に潔かった。
「肉親には継がせない」とまで言い切って、実行した。

その退陣劇を演出したのが藤澤さんだってのを思い出して
一気にこの回のネタは決まったんでした。

実現不可能と思われる壮大な夢をブチあげて
類い稀な求心力で部下を引きずるけれど
実はドンブリ勘定だったっぽい本田さんと秀吉さん。
ほとんど光の当たらない裏方で
時には際どい綱渡りもやってのけて
全面的にオヤブンを立てながらも、
陰ではキッチリ物申したりして…
って、秀吉の方は推測ですけどね。
石田三成が重用されたってコトは、
やっぱり実務面が急所だったんだろうな、って思って。

おおの のぶなが
カワサキのモーターサイクル
とロックンロールをこよなく
愛する歴史研究家。著書に小
社刊『知れば知るほど面白い
・人物歴史丸ごとガイド織田
信長』、共編著に『決定版 図
説戦国武将118』など。雑誌
『歴史群像』誌上にて「信長
の独断・フルスロットル!」
を連載中。本名同じ。


もしかしたら藤澤さんが本田さんの勇退を指示したのって
他の誰かでは、オレの代役はつとまらないんだぜ?
っていう自負があったからなのかなぁ、とすら思うんです。

あ、今回の写真ですが
以前イキオイで作りました、秀吉の印章「みみずの糸印」です。
ちゃんと金箔押です。
歴群編集部の美術」のページに対抗して出してみました。

…まぁ、タイコウだけにね。