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KAWASAKI 500SS H1 マッハIII

さて歳月は流れ、私こと晴れてマッハのオーナーになっております。
…コレね、オモシロイですわ。
そして改めて、信長っぽいなぁと思う。
構造はきわめて単純。
コンセプトも明解。
ただ、それを発揮するためには全ての面で無理を強いる。
いや、無理無理を強いる。
覚悟も要求される。
「数字上の性能では時代遅れになっても
その個性は唯一無二。」
誰しもが言うことだけど、実感です。

信長は中世の最後か、近世の最初かって論議があるでしょ?
マッハを見て思うけど、やっぱり中世の最後だと思うなぁ。
その時点で可能なコトは無理矢理やり尽していて、
そのためにバランスが崩れてしまった…故の個性。

例えばエンジン。
中央シリンダーを効率良く冷却しないと、性能が発揮出来ない
→走行風を当てるためにフロントフォークを寝かす
→荷重が後ろ寄りになり、ウィリーしやすくなる
→リアサスは踏ん張るために硬く設定されてるの?
→でもフロントは柔らかいんですけど?
→おかげで前後にガックンガックンだぁ!
てな具合。
要は60年代後半のクセに、市販車のクセに、
空冷2スト3気筒なんてエンジンで、
60馬力出そうなんてのがイケナイ。
でも、技術的にもコスト的にも、何より開発期間の短さからそうするしかなかったということ。

今なら水冷4スト4気筒で、何の問題もなくクリア出来てしまう。

というワケで我らがカワサキさんも90年代に入り、
「4ストマッハ」のコンセプトを謳った
ザンザスというモデルを出しました。
普通に速かったんだけど、普通だということで
不人気車のまま終っています。

おおの のぶなが
カワサキのモーターサイクル
とロックンロールをこよなく
愛する歴史研究家。著書に小
社刊『知れば知るほど面白い
・人物歴史丸ごとガイド織田
信長』、共編著に『決定版 図
説戦国武将118』など。雑誌
『歴史群像』誌上にて「信長
の独断・フルスロットル!」
を連載中。本名同じ。

じゃあワザとイカレたモデルを作ったら?

現代の規制じゃあ、騒音も排ガスもクリア出来ないし
…その前に多分PL法に引っかかる…ので、再発は不可能。
信長もマッハも、マネして出来るもんじゃないっていう見本ですよ。
お解りですか? 信長カブレの皆さん?
ていうかさ……
気軽に俺の名を使うなぁぁぁぁぁ!(本音)

2007.6 大野信長