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編集者ひとくちコラム
新・歴史群像シリーズ⑧『朝鮮戦争 38度線・破壊と激闘の1000日』

リニューアルに際して

■歴史群像シリーズの名作をリニューアル

 一昨年より、過去の歴史群像シリーズを新たに再構成・リニューアルしたタイトルを発刊しています。それは、絶版になってしまった歴史群像シリーズの名作を、新たな読者に届けたいというささやかな願いから始まりました。
 さて、今回のリニューアルは、何かとキナ臭い話題を途絶えることなく提供してくれる“某国”が、生まれた(!?)原因である『朝鮮戦争』です。1999年当時、上下巻2冊構成の力作ですが、今回は1冊にしなくてはならない。
 メインとなる詳細なドキュメントは完全に再現しましたが、紙数に限りがあり、どうしてもカットせざるを得ない名作の記事がいくつかありました。とはいえ、必要にして十分な一冊となりました。「なぜ起きたのか」「どのような経緯を経たのか」「結果どうなったのか」がわかりやすくシンプルに構成されています。

■1950年-勃発から中国軍参戦までの出来事(年表)

1950 6.25 午前4時、北朝鮮軍、38度線全域で砲撃を開始。
26 北朝鮮軍、議政府を占領。
28 北朝鮮軍、ソウルを占領。
7.4 北朝鮮軍、水原を占領。
5 スミス支隊、烏山で北朝鮮軍と交戦し敗退。
8 国連軍司令官にマッカーサー元帥を任命。
20 北朝鮮軍、大田を占領。米第24師団、交戦し大敗。
8.1 米第8軍司令官ウォーカー中将、洛東江陣地線への後退を指令。
5 北朝鮮軍、8月攻勢を開始。
13 韓国軍、多富洞で反撃。
30 マッカーサー元帥、仁川上陸作戦命令を下達。
9.1 北朝鮮軍、9月攻勢を開始。
6 北朝鮮軍、永川を占領。韓国軍、反撃しこれを殲滅。
15
 
午前6時31分、米第5海兵連隊第1大隊、仁川の月尾島に上陸開始。
午後5時33分、主力部隊、上陸を開始。
21 米第8軍、洛東江線突破を完了。
25 米第1海兵連隊、ソウル正面の汝矣島から漢江を渡河、ソウル市外に突入。
28 国連軍、ソウルを奪還。米第10軍団、スレッジ(鉄床)を完成。
10.1 午前11時25分、韓国軍第1軍団、東海岸で38度線を突破。
2
 
マッカーサー元帥、韓国軍以外の部隊の北進限界線(マッカーサー・ライン)を策定。
9 米第1軍団、西部の開城付近で38度線を突破。
10 韓国軍第1軍団、東海岸の元山を占領。
12 中国軍、鴨緑江を渡河し南下しはじめる。
17 マッカーサー元帥、国連軍の新たな北進限界線(マッカーサー・ライン)を策定。
19 韓国第1師団、平壌に突入。
20 国連軍、平壌を占領。
24 マッカーサー元帥、国連軍の北進限界線を撤廃、総進撃を指令。
25 国連軍・韓国軍、西部戦線で中国軍と接触。中国軍、第1次攻勢を開始。
11.24 国連軍、クリスマス攻勢を開始。
25 中国軍、第2次攻勢を開始。
12.5 国連軍、平壌を放棄し後退。
15 米第8軍、韓国軍主力、38度線陣地を確保。

(文=編集長T)

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歴史群像シリーズ特別編集『日本100名城公式ガイドブック』

日本100名城とは?

■日本城郭協会が選定

 昨年2月、(財)日本城郭協会は文部科学省・文化庁の後援を受け、創立40周年の記念事業として「日本100名城」を選定しました。日本城郭協会は1956年に設立され、その後1967年に文部省(現・文部科学省)の認可を受けた、お城に関する唯一の財団法人です。
 これまでも個人が任意に選んだ“百名城”なるものはありましたが、今回の選定は、識者・専門家により学術的観点から公に認定された初めてのものといえます。選考委員は、新谷洋二氏(東大名誉教授・土木工学)を委員長とし、平井聖氏(昭和女子大学学長・建築史)、小和田哲男氏(静岡大学教授・戦国時代史)など、城郭に関する各分野の専門家が集められました。
 選定基準は①優れた文化財・史跡であること、②著名な歴史の舞台であること、③時代・地域の代表であること、の3点が柱で、全国の城郭ファンから応募のあった推薦リストも参考に、選定会議を経て最終決定されました。
 選定された城リストを見ると、天守のそびえる著名な近世城郭や戦国の山城のみならず、古代の環濠集落や朝鮮式山城、沖縄のグスクや北海道のチャシといった、時代や地域の特色ある城郭が選ばれており、実に多彩。県庁所在地にあるような有名なお城が選ばれていないことで意外に思われる方もいるかもしれませんが、復元に問題のある城は除外する、地域に偏りが無いよう考慮するなど、選考の苦労が偲ばれます。

■スタンプラリー開催決定!

名城スタンプラリー見本

 「日本100名城」が発表されると当該各地で反響があり、本年6月からは名城スタンプラリーも開催されることとなりました。日本城郭協会ではそれにあわせて公式ガイドブックの刊行を発案、これを学研が受託し今回の出版に至ったというわけです。編集制作はお城本では定評の碧水社。
 本書では100名城の選定理由はもとより、城郭史の概説や城郭構造物の見方などもわかりやすく解説。各城紹介のページでは、築城年代・築城者・文化財史跡区分から見どころ・交通情報までデータも詳細に掲載。各城ごとにアクセス地図も掲載されており、スタンプ設置場所も明記されています。付録としてスタンプ帳も付いており、まさに名城巡りに必携の一冊です。
 ちなみに名城スタンプラリーは6月2日より全国でスタートします。同日には小田原城において記念イベントの開催も予定されています。それぞれのお城にはその城をモチーフにデザインされたオリジナル・スタンプが設置されており、だれでも押すことができます。100城制覇には何年もかかるかもしれませんが、まずは身近なところから気軽に始めてみたらいかがでしょうか。
 近年は「平成の再建ブーム」とでも呼びうる再建・修築が各地で積極的に行なわれており、以前とは見違えるようになっているところも多くあります。過去に訪れたことのある城であっても、また新たな発見があることでしょう。
 城という文化財は今後、歴史教育の素材として、あるいは地域振興の場としても、ますます脚光を浴びていくと思います。このガイドブックが、老若男女を問わずお城好きが増える一助となれば幸いです。

(文=編集長A)

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第二次大戦欧州戦史シリーズ  『[図説]ドイツ空軍全史』

カバーイラストのはなし

■大西画伯

 1997年の創刊以来、本シリーズのカバーイラストは大西美先生にお願いしています。大西先生の繊細でリアル、かつ臨場感に溢れるイラストは、プラモデルのボックスアートでご存じの方も多いでしょう。
 大西先生は1945年生まれ。20歳の時に小松崎茂先生に弟子入りされ、本格的にイラストレーターの道を歩み始めます。その後まる1年間、内弟子として小松崎先生のお宅に住み込みでイラスト修行の日々を過ごされます。同じく住み込みのお弟子さんに、欧州戦史シリーズでもイラストをお描きいただいている上田信先生がいました。
 その後、タミヤ模型初の社員イラストレーターとなられ、背景が白い斬新なイラストでボックスアート界に新風を吹き込みます。27歳でフリーになられ、以後、ボックスアートから書籍、雑誌のカバーイラストまで、さまざまなジャンルでご活躍されています。

■人選に悩む

 さて、欧州戦史シリーズのカバーイラストでは、いつもその号の主題にもっとも関わりの深い人物をメインに描いてもらいます。人選は基本的には編集部で行います。
 最新刊の『図説・ドイツ空軍全史』ではこの人物を誰にするかで迷いました。ドイツ空軍といえばやはりヘルマン・ゲーリングですが、ゲーリングは第3巻『英独航空決戦』にも登場していますし、軍人ではありますが「政治家」としての側面が強く、どうも今回の内容とイメージが合いません。またナンバー2のエアハルト・ミルヒも実務家という側面が強く、いまいち華がありません。
 結局決まったのは、第一次大戦時の陸軍航空隊のエース、「赤い男爵(レッド・バロン)」マンフレート・フォン・リヒトホーフェンと、その従兄弟で第二次大戦の前半に第8航空軍団長(のちに第4、その後第2航空艦隊司令官)を務め、もっぱら陸軍部隊への対地支援の任にあたったヴォルフラム・フォン・リヒトホーフェンのふたりでした。後者は「戦術空軍」であったドイツ空軍を象徴する人物でもあります。
 人物が決まると、その周囲に配する兵器などをどうするか、大西さんと打ち合わせます。このシリーズでは毎回いろいろな兵器を描き込んで頂くスタイルでお願いしています。「やはりBf109は入れたいですね」「いや、フォッケウルフも捨てがたいね」「パイロットも入れてもらえませんか」……といった感じで打ち合わせを行いますが、最終的には全体の構図とあわせて大西先生に決めて頂きます。

■『図説・ドイツ空軍全史』イラスト解説

こうして最終的に完成したイラストには、以下のものが描かれています。
マンフレート・フォン・リヒトホーフェン。胸元に付いているのは第一次大戦時のドイツ軍の最高勲章「プール・ル・メリット」。プール・ル・メリットとはフランス語で「功績に対して」という意味です。なぜフランス語か? それはこの勲章が初めて制定されたフリードリヒ大王時代のプロイセン宮廷の公用語がフランス語だったからだそうです。
ヴォルフラム・フォン・リヒトホーフェン。空軍上級大将を示す襟章と肩章を付けています。
1943年10月当時、第52戦闘航空団のエーリッヒ・ハルトマン少尉が乗っていたメッサーシュミットBf109G-6。ところで、風防の下に赤いハートマークが描かれていますが、これは何でしょう。詳しくは本誌で紹介していますので、そちらをお読み下さい。
フォッケウルフFw189の機銃手。機銃はMG81Zです。
2機のフォッケウルフFw190。上はA-3型、下がD型。
給油中のメッサーシュミットBf109D-1。

■大西先生のコメント

 ところで、大西先生に、本シリーズのイラストを描かれる際に苦労される点は何でしょうかとお聞きしたところ、以下の答えが返ってきました。
「毎回、多くの人物や兵器を描き込まなければならないので、雑然とならず、動きのある構図にまとめるのに一番苦労します。また、人物、特に顔を描く際にはとても神経をつかいます」
 大西先生! あれも入れてくれ、これも入れてくれと、ご無理な注文ばかりですみませんが、今後ともよろしくお願いします!

(文=編集長H)